【化学系研究室の闇】偏差値が低い大学でもブラック研究室が誕生する理由。対策も紹介

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化学系大学の研究室には、ブラック企業顔負けのブラック研究室というものが多数存在します。

ブラック研究室とは、学生を労働力とみなし、長時間労働・土日休みなし・パワハラが日常茶飯事の研究室のことです。

 

こういう問題は有名大学での話のように思う方も多々いらっしゃると思います。

しかし、現実は偏差値が低い大学でもブラック研究室が存在し、多くの学生さんに関係ある話になります。

 

この記事では、偏差値が低い大学の研究室でなぜブラック研究室が誕生するのか?とその対策を私の実体験を元に紹介していきます。

せっかくの大学4年生の卒研を無事に過ごすために参考になればと思います。

 

この記事の執筆者

 

私は偏差値が40のほぼFラン大学の化学系研究室に博士課程まで在籍していました。

残念なことに私が在籍していた研究室は放置系研究室とブラック研究室の悪い所取りの最悪の環境。

私の研究生活の実体験から、偏差値が低い大学でのブラック研究室の話を発信していきます。

 

 

ブラック研究室とは?

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ブラック研究室とは、研究室に在籍している学生さんを教授の研究業績のために、ブラック企業顔負けの実験という名の労働を行わせている研究室です。

具体的には以下のようなことが日常的に行われています。

 

  • 長時間の実験 (12時間労働は当たり前)
  • 土日休みなし
  • 研究成果の強要&パワハラ 
  • 就職活動の制限(数社しか受けれないなど)  など

 

大学院生を中心にこれらのことを強要されるのがブラック研究室の怖い所です。

「大学院生ならばコレくらい当たり前だ」という間違った常識を学生に押し付けてきます。

 

教育機関である大学の研究室は本来は教育をする場にも関わらず、教育を一切せずに研究業績のために無償の労働力として学生を利用しています。

ノーベル賞などの有力な賞を取りたい、研究費の確保など様々な背景がそこにはあります。

 

本来はあり得ない話ですが、これが化学系研究室には当たり前のようにあります(理系研究室全般に言える事かもしれまんが)

その結果、私の大学でもうつ病になって研究室に来れない人、この世から去った人がいました。

 

東北大学がブラック企業大賞を受賞

ブラック企業は皆が知っているが、ブラック研究室のことを知らない人が多いと思います。

そんな中、世間にブラック研究室という言葉が浸透し始めたのが、東北大学のブラック企業特別賞の受賞

 

2013年のブラック企業大賞のワタミと並んで特別賞を受賞した東北大学では、薬学部研究室の助手の方が「新しい駒を探してください」と遺書を残して自殺。

 

この頃から徐々に「ブラック研究室」という言葉が世間に届くようになってきました。

(それでもブラック企業のような認知はされていません)

 

参照記事:ブラック企業大賞2013が発表、大賞:ワタミ、特別賞:東北大学、ベネッセも受賞

 

「放置系研究室」というもう一つの闇

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一方でブラック研究室とは対照的な「放置系研究室」という問題があります。

放置系研究室とは教授が研究や教育に興味をなくし、学生を放置する研究室のことです。

偏差値の低い大学ではこの放置系研究室の方が多いと思います。

 

学生や研究設備のレベルが低すぎて教授の方が失望するパターンです。

研究業績をあげること、有名な賞を取る事、教授になる前に描いていた輝かしい未来の全てを諦めた時に起こるのが放置系研究室です。

 

参考記事:【経験者は語る】放置系の研究室の実態が分かる記事です。|ホースブログ

 

私の研究室も元々は放置系研究室だった

私の通っていた偏差値40の大学の研究室は元々放置系研究室でした。

研究テーマは一応もらえるが、もう結果が分かっている過去の研究の再現実験。

教授は週に1回カップラーメンをもってくるだけで、学生の名前も覚えてない。研究しようがしまいが何の問題なし。

(他の研究室も大体こんな感じで、教授からは特に何か言われることは全くありません)

 

私の研究室はこんな具合のバリバリな放置系研究室なのに、なぜかブラック研究室の要素がバリバリありました。

 

その理由は、助手や大学院生が自分の研究業績のために暴走するからです。

放置系研究室のため、教授が暴走を止めることが無いという悪循環が起こったのです。

以下の項目でその理由を詳しく解説していきます。

 

偏差値が低い大学でブラック研究室が誕生する理由

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偏差値が低い大学ならではのブラック研究室が誕生する理由は以下の4つのパターンがあります。

  1. 新任教授によるカルチャーショックによる暴走
  2. 将来が不安な助手のあせり
  3. 一発逆転を目指す大学院生の空回り
  4. 「大学院生ってこうだよね」っていう同調圧力

それぞれ私の実体験と合わせて解説していきます。

 

1.新任教授によるカルチャーショックによる暴走

新しく誕生した新任教授による研究室は、やる気がバリバリでブラック研究室になる可能性があります。

偏差値が低い大学の教授でも東大出身だったり、准教授の時に有名な大学から赴任したりとメチャクチャ有名な大学出身です。

 

晴れて自分の研究室を持つことになり、やる気バリバリの状態です。

バリバリ研究業績出したり、有名な賞を取ろうと野望でいっぱいです。

 

しかし、教授になられる方はやっぱりエリート街道を歩んだ方ばかりです。

そのため、偏差値が低い大学の生徒や研究環境のレベルを全く理解していません

偏差値40の大学の学生にノーベル賞とるぞ!!と言っても誰も本気にしません。

研究に使う装置だってボロボロの旧式ばかりです(最新設備なんて一つもありません)。

 

今までの常識が全く通用しない中、輝かしい未来がそっと幕を閉じそうになっています。そんな時、新任教授が最後の悪あがきをします。

何がなんでも研究業績を得ようとしてブラック研究室化します。閉じそうになっている自分の夢のために。

 

ただ、それは長くは続きません。誰も大学院に進学しませんし、次年度から希望者は誰一人いないからです。

教授が思い描いていた輝かしい未来は完全に幕を閉じ、すべてを諦めた結果、放置系研究室になっていきます。

 

教授は退職まで高収入で高身分です。そのため、ノーベル賞は諦めて退職までのんびり研究を進めるのも悪くないなと簡単に諦めがつきます。

 

2.将来が不安な助手のあせり

教授と違って助手の方は将来が不安定です。任期制で次の雇用は決まっていません。

限られた期間で何が何でも研究業績をあげ、次の准教授・教授へのポストを掴みとる必要があります。

 

偏差値が低い大学の助手の方も高学歴の方が多いです。

数少ない助手というポストを掴むため、偏差値が低い大学に流れてしまったのでしょう。現実を知らずに。

 

そのため、学生及び研究環境のレベルの低さに驚愕します。

最悪なのが助手の方はここで諦める訳にはいけません。何が何でも次のポストを掴む必要があります。それも決められた期間で。

 そして、助手の元についた学生に対して研究の強要をし始めます。

 

私のいた研究室にも新しく赴任してきた助手の方がいました。

教授が何も関与しないことを良いことに、研究費の独占・自分の研究をする学生への研究の強要、他の学生への暴言など荒れに荒れていました。

 

他の学生は試薬を中々買わせてもらえません。お前らのやっていることは意味が無いという理論です。元々研究室にある在庫の試薬だけ使えという具合。

 

最悪なことに教授に相談しても「前にいた助手の方もそんな感じだったな」と懐かしんで何の解決もしませんでした。

 

3.一発逆転を目指す大学院生の空回り

ごくまれに一発逆転を目指す大学院生が助手を目指す場合、何が何でも業績を挙げようと暴走する場合があります。

 

他所の有名な大学院に進学すればいいのに、その勇気も無く自分の研究室でお山の大将をするパターンです。

後輩を取り込み何が何でも研究成果を摂取しようとする。

 

自分自身では論文を書く能力も研究成果を出す能力もない場合が多く、やたらと周りにパワハラをします。夢だけはいっちょ前に語るやつです。

 

私の研究室でも先輩の大学院生が暴走しまくっていました。

自分の子分を作り研究の強要をしていました。

後輩の女性を手をだす(殴るほう)、椅子を蹴ったり、同期の学生に暴言を吐いたり、先輩の大学院生に「お前はジャマだ」と暴言をはき、教授に何とか取り入り好き放題する最低最悪の状況でした。

 

めったに無いですが偏差値が低い大学にいることがコンプレックスに感じている学生が、大学の研究ポストという人生一発逆転を目指せる輝かしいキャリアに憧れて暴走するパターンがあります。

 

4.「大学院生ってこうだよね」っていう同調圧力

長時間研究や土日休みなしのブラック研究室の特徴をワザワザ大学院生を中心に自ら実践することが良くあります。

 

「大学院生ってこうだよね」「研究ってやっぱ徹夜してなんぼ」とか、いわゆる同調圧力で大学院生を中心に発生します。

 

勝手に個人でやっている分は良いのですが、怖いことにこの同調圧力は他の人に実験の強要をするように仕向けます。

 

「研究しないやつは使えない」、「あいつはクズだ」、「アイツは早く帰ってクソ」など実際によく聞いた言葉です。

(偏差値40の大学の時点でクズなんですけどね)

 

長時間実験したらエライ見たいな雰囲気はどの研究室にもありました。

毎日何時間実験したかを競い合っていたり。

 

まさに会社員の残業したらエライみたいな風潮です。

 

同調圧力によって多くの大学院生が苦しみ、鬱になったりします。

私の大学の他の研究室でも鬱になって研究室にこれなくなった方は何人かいました。

 

ブラック研究室を回避する対策

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それでは、どうしたらブラック研究室を回避できるのか?

せっかく大学4年生まで進級したのにブラック研究室で苦労したくありませんよね。

まず大事なのが大学での成績で上位ととり、好きな研究室にいけるようにしておくことです。

その上で、ブラック研究室を引かないために以下の対策があります。

 

  1. 先輩から各研究室の情報を得る
  2. 新しくできる研究室は選ばない

 

1.先輩から各研究室の情報を得る

一番確実なのが同じ学科の先輩から情報を得る方法です。

ブラック研究室、ヤバイ研究室の情報を先輩方は知っていたりします。

悪い噂は流れてくるからです。

大学で先輩で知り合うにはサークルに参加するのが一番です。

サークルに参加しないと先輩と知り合う機会が中々無いのが現状です。

 

【あわせて読みたい】大学のサークルに入るメリットを紹介

【大学】大学生活でサークルに入るべき3つのメリットを紹介 - 平太の雑談ブログ

 

2.新しくできる研究室は選ばない

新しく赴任する教授の研究室は選ばないのが無難です。

どんな教授なのかが分からないし、「ブラック研究室が誕生する理由」で述べたようなことが起きる可能性も十分あります。

 

情報が無い研究室は選ばない方が無難です。例え、良い教授でも新しい研究室は先輩がいないので、中々実験が進まないデメリットもあります。

 

仮にブラック研究室に配属されてしまったら

ブラック研究室に配属されてツライ場合、速攻で学生課に相談しましょう。

ただ、教授や研究室をどうにかすることは全く期待できません。

教授の方が権力が上で学生課のスタッフでは頭が上がらないからです。

 

ただ、研究室を移動させたり卒業だけはさせてくれる可能性は高いです。

何が何でも大学卒業だけはしましょう。

 

まとめ:偏差値が低い大学でもブラック研究室は存在します

この記事では、偏差値が低い大学のブラック研究室が誕生する理由とその対策を解説しました。

世間では中々浸透していないブラック研究室。決して有名大学だけの話ではありません。

どの大学でもブラック研究室が存在する可能性がある話です。

研究室に配属前にブラック研究室に配属されないように十分な情報収集が必要です。

 

ただ、私のように楽な放置系研究室が突如ブラック研究室化する可能性があるので安心は禁物です。

 

ブラック企業同様にブラック研究室の問題も社会全体で考えないといけない時期にきているのではないでしょうか?

私の体験談もドンドン発信していく予定です。