あなたは、博士課程の彼氏さんとのお付き合いする上で色々と心配事がありませんか?
理系の大学院や研究室は、その世界を知らないからしたら色々と不思議に感じることが多いと思います。
その代表例は「学生なのに忙しい」ではないでしょうか?
博士課程の彼氏とお付き合いする時は一般的なお付き合いは実は難しく、当初思い描いていたイメージとのギャップで悩むことになります。
博士課程の彼氏さんとお付き合いをしていく中で、彼女である貴方よりも研究を優先されることが冗談抜きに日常的にあります。
そのため、結婚を意識するならば彼氏さんをスポーツ選手の奥さんのように支える(応援する)する覚悟が必要になってきます。
当記事では理系の大学院に馴染みの無い方に向けて、博士課程の彼氏さんとお付きあいする時の注意点を5つ紹介していきます。
当記事の著者情報
私は理学部化学科の博士課程に在籍。
自身の経験を元に、当ブログで研究室や大学院の生活について発信しています。
博士課程の彼氏とお付き合いする時の5つの注意点
博士課程に進学する方は珍しく、そんな博士課程の生活について中々理解出来ない・不安を感じる点は多いと思います。
特に、あなたからしたら「研究室で忙しくて会えない」という言葉は信じられず、「よそで浮気してんのか?」と疑ってしまいたくなるのも仕方ありません。
(学生なのに忙しいというのが理系大学院の不思議な所です)
実際に博士課程の彼氏さんとお付き合いする時には、次の5つのような博士課程ならではの注意点があります。
- 一緒にいれる時間が無い
- 恋人より研究優先
- お金が無い
- 将来どうなるか不透明
- 病む可能性がある
それぞれ詳しく説明していきます。
①一緒にいれる時間が無い
理系の大学院に馴染みの無い方が1番疑問に思うのが「研究室が忙しくて会えない」という彼氏の言葉ではないでしょうか?
大学院といっても所詮は学生です。まさか社会人より忙しい訳が無いと思いきや、実は本当に忙しかったりします。
(会社よりも研究室の方が忙しかったという人もいます)
理系の大学院生は教授が運営する研究室に所属し、日々研究を進めて卒業要件を満たさなければなりません。
特に、博士課程の場合は「国際論文〇本採用」といった具合に卒業要件が明確に決められており、この要件を満たさなければ必ず留年になります。
(学部4年生や修士課程は明確な卒業要件は無く、普通に頑張ってれば卒業できます)
また、研究成果をまとめた国際論文は、査読といってしっかりと審査をされて採用か不採用かが決まります。
(懸賞論文みたいな感じで、ガチで審査されて採用・不採用が決まります)
研究成果が得られたからといって、国際論文が採用されなければ一生卒業することは出来ません。
そのため、博士課程の学生は「論文のための研究成果」を得るために土日関係なく必死に研究を行っています。
その他にも彼氏さんが所属する研究室で決められているルールや、学会発表前の追い込みなどで忙しい場合もあります。
これらの結果、博士課程の彼氏さんは「(土日も)研究室で忙しい」という状態になりやすく、あなたと一緒にいれる時間を中々作れないということが起きてしまいます。
②恋人より研究優先
博士課程の学生は①で紹介した厳しい卒業要件のせいで、恋人よりも研究を優先しがちです。
さらに注意が必要な点として、彼氏さんが博士課程卒業後の進路として大学でのポストを狙っているのなら、研究優先の生活がずっと続きます。
助手といった大学の研究室で働ける職は採用数が本当に少なく、そのポストに採用されるためににアピールできる実績を出来るだけ増やしていく必要があるからです。
(東大出身の博士課程の学生が偏差値低い大学の助手に応募するくらい厳しい競争が行われています)
一番手っ取り早い実績は採用された国際論文の質と数。
そのため、卒業要件をクリアしたとしてもそこで研究を辞めることが出来ず、次の論文のためにひたすら研究を頑張る必要があり、研究生活に終わりがありません。
ちなみに、私の先輩のように「彼女よりも研究が好きだ」と彼女の前で豪語するガチで頭おかしい奴が本当にいるのが博士課程の恐ろしい所です。
③お金がない
博士課程の学生はお金がありません。
卒業要件を満たすために毎日研究室に通う必要があり、アルバイトをしている暇も無いのが実情です。
(研究室によってはアルバイトを禁止している所もあります)。
博士課程の学生の多くは奨学金等で授業料や生活費を捻出しています。
博士課程を順調に卒業して27歳。いい歳して貯金0で借金(奨学金の返済)ありのことがほとんど。
人によっては大学生から博士課程の約10年間で借りた奨学金の返済額はとんでもない額になっている場合もあります。
デートやプレゼントは期待できないだけでなく、結婚を意識するなら30歳手前で貯金が無いのはかなりネックになると思います。
④将来どうなるか不透明
博士課程の学生は企業への就職は不利だと言われています。
順調に博士課程を卒業しても27歳で社会人経験がゼロの人を積極的に採用しようとする企業は多くはありません。
ただ、それでも理系の場合は博士課程で優秀な成績を収めたり、教授からの推薦で企業の研究開発に関する就職は十分可能です。
一番の問題は助手やポスドクといった大学の研究職を目指す場合です。
どんなに優秀な人でも(有期雇用)の不安定なポジションで何年も研究を行わなければなりません。
頑張ったからといって必ず大学のポストに残れる訳ではなく、プロ野球のように本当に限られた人間しか教授にまで昇格出来ません。
さらに、どの大学で働くのかも自分では決めることが出来ません。
誰かが辞めないとそのポジションが空かないため、どこの大学で求人が出るのかはその時にならないと分からないからです。
私の先輩は神奈川県から島根県の大学に助手として採用され何年も島根県に住んでいます。
このように、将来的にどの県のどの大学で働けれるのか、そもそも大学のポストに就けるのかが本当に分からないため、お互いに不安定な生活を送ることは避けられません。
⑤病む可能性がある
博士課程の学生は過酷な研究生活によって突然病んでしまう可能性があります。
【参考記事】
大学院生が高確率で精神的に病む、4つの理由 | エリアブルー
研究成果が思うように得られずに土日休まずに深夜まで研究をすることで、精神的・身体的に負荷がかなりかかります。
博士課程は卒業要件が明確に決まっているので、最低でも卒業要件を満たすまでは(卒業できるか分からない)不安と戦いながら研究に取り組む必要があります。
私も博士課程2年時の終わりに極度の体調不良に襲われて中退しています。
与えられた研究テーマにもよりますが、研究成果が得られるかどうかは実力というよりも運の要素が大きい場合があるからです。
例えば「○○に△△したら××という現象が起きるのでは?」といった仮説を元に研究をスタートするので、この仮説が違っていたら××という現象が起きずに研究は一歩も進みません。
様々な仮説を立てて1つずつ確かめる作業が必要なため、試行回数を少しでも増やすために多くの博士課程の学生は深夜や土日まで研究室に行き研究を行っています。
(基本的には結果が分からない未知のことに取り組むのが研究なので、頑張ったからといって必ず結果が出る訳ではないです)
以上のことが原因で博士課程の学生は突然病んでも不思議ではないほど過酷な状況に追い込まれています。
まとめ:博士課程の彼氏を支える気持ちが大切
この記事では博士課程の彼氏とお付き合いする時の注意点を紹介しました。
博士課程の学生は基本的に研究に忙殺されており、学生同士や社会人同士のお付き合いと比べて2人の時間をじっくり過ごすことは難しいかもしれません。
そのため、アスリートの奥さんのように研究者を志す彼氏さんの夢を応援する気持ちが無いと中々お付き合いが続かないかもしれません。
特に、彼氏さんが大学での研究職を目指している場合は、ここからずっと研究優先の生活が続くことは間違いありません。
現在の彼氏さんと結婚を意識するなら、お金の面も含めて彼氏さんを支えるという気持ちが本当に大切になります。
逆に、彼氏さんを支えていくというのが難しい場合は博士課程の方とお付き合いするのは辞めておいた方が良いと思います。