なかなか正社員になれずに焦っているあなた、非破壊検査という業種なら簡単に正社員になれますよ。
非破壊検査とは建物等のモノを壊さずに安全性を確かめる検査方法で、化学工場や鉄道、橋といった様々な場所で必要とされています。
大前提として、非破壊検査という業種はお世辞にもホワイトとは言えませんが、正社員になりたくてガチなブラック企業に行くくらいなら、この業界の方が大分マシです。
私は非破壊検査の会社に入社して約10年たちますが、次の5つのメリットを感じています。
- 人手不足のため、簡単に正社員になれる
- 資格を取得すれば食いっぱぐれは無い
- 残業はあるが、世間の平均年収は超えられる
- 休憩時間も多いし、暇な時間も意外とある
- コミュニケーションもそこまで求められない
非破壊検査の業界全体で人手不足のため、比較的簡単に正社員になりやすい上に、世間の平均年収より上の年収は狙えます。
ただし、人手不足の観点から分かるように、決してホワイトな業種ではなく、グレーと言うべきか、ややブラック寄りなのは否定できません。
(どの業種でもそうですが、会社の雰囲気によるところも大きいですが)
それでも、ブラックと呼ばれる業界に行った周囲の話を聞く限りでは、非破壊検査の業界は言うほど悪く無いと私は感じています。
正社員になれなくて苦しんでいるならば、いったん非破壊検査の会社に入社して、正社員の経験を積みながら次の転職先を探すのも悪くないと思います。
就業経験が無い空白の期間が長くなったり、アルバイトや派遣歴が長くなると正社員への就職が難しくなる所もあります。
現状、非破壊検査が出来るようになれば食いぱぐれる心配は少ないので、仮面浪人のように働きながら転職先を探し、ダメならまた非破壊検査に戻ってくるという選択肢もありだと思います。
当記事では「とりあえず正社員になれれば良いなら非破壊検査という業界も悪く無い」という話を私の実体験を含めて詳しく紹介していきます。
今後の就職活動の奥の手として取っておいてもらえればと思います。
当記事の信頼性
私は比較的大きな検査会社で働いている非破壊検査歴10年の中堅検査員。
実際に働いてきた中で感じたことをベースに当記事を作成しています。
- 1.非破壊検査とは?
- 2. 非破壊検査業界は決してホワイトではないが、そこまでブラックでは無い
- 3.非破壊検査の会社に就職する5つのメリット
- 4. 入社前に確認しておいた方が良い3つのこと
- 5.まとめ
1.非破壊検査とは?
そもそも非破壊検査とは何だ?という人も多いかと思います。
非破壊検査とは字の通りに物を壊さずに物にキズがあるかどうか健全性を確かめる検査方法です。
化学・石油工場や原子力発電所、鉄道、ビル、航空機といった様々な場所で需要があり、構造物を今の状態のまま使っていいのかどうかを確かめる役割があります。
例えるなら、病院でお医者さんが患者さんの健康状態はどうか、どんな病気かを診断するのと似ており、構造物の健康状態を確かめるのが非破壊検査の仕事です。
非破壊検査といっても実は様々な検査方法があり、代表的な検査方法はコチラです。
- 超音波探傷検査
- 浸透探傷検査
- 磁気探傷検査
- 放射線透過検査
字の通りで超音波や放射線を使って物を壊さずに検査していきます。
他にも様々な検査があるのですが、これらの非破壊検査は誰でも行える訳ではありません。
それぞれの検査に対して資格が必要で、協会が主催する技量認証試験(学科+実技)に合格する必要があります。
冒頭でも「食いっぱぐれが無い」と紹介したのは、各検査をするのに資格が必要だからです。
非破壊検査の資格には、有名な国家資格である電験3種のような独占業務的な要素があり、資格プラス経験があれば非破壊検査業界なら引き取り手数多の人材になれるのが現状です。
(そもそも知名度も低いので、有資格者が多く無いのが現状です)
各検査方法の資格を取得することで、自分が出来る検査の幅が増えて成長するだけでなく、資格手当を貰えて自力の頑張りで給料をUPすることが出来るのが非破壊検査業界の魅力の一つになります。
※各検査の具体的な方法については話すと長くなりますので、コチラの入門書を見るのが一番分かりやすくて勉強になります。
2. 非破壊検査業界は決してホワイトではないが、そこまでブラックでは無い
大前提として非破壊検査は我々の生活のために無くてはならない仕事ではあり、今後ますます需要が増えていきます。
社会的に重要な仕事をしているものの、ひいき目で見ても決してホワイトな職場ではありません。
給料が他業種と比べて特別高いわけでもありませんし、繁忙期には残業や休日出勤もあり、3K の要素も結構あります。
有名な大手企業やホワイト企業に入社出来るなら、絶対にそちらに入社した方が良いのは間違いありません。
ただし、正社員の内定が頂けなくて悩んでおり、変なブラック企業に行ったり、非正規雇用を何年も続ける位なら非破壊検査の業界で正社員になった方がマシだと思います。
各会社による所は大きいですが、私の会社は残業代もしっかり出ますし、世間一般の平均年収より多く稼げます。
3Kの現場と言われますが、重労働も少ないですし、他の3Kの職種と比べると言うほどきつくは無いというのが私の正直な感想です。
非破壊検査の業界はブラックというよりもブラックになり切れないグレーのイメージ(悪い中で良い)が強いです。
時々、下記のような非正規の生活がヤバイというニュースが時々話題になりますが、こういう感じになる位なら非破壊検査業界に来て正社員になった方が大分マシなのに・・・という思いはあります。
(簡単に正社員になれますし、社会保険にも入れます)
【参考記事】
35歳超の非正規男性が悲惨なほど困窮する現実 | ワークスタイル | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
とりあえず正社員になるという目的なら、非破壊検査の業界もそこまで悪くなく、働きながらより良い会社に転職出来ないか考えていくのも一つの手段だと思います。
3.非破壊検査の会社に就職する5つのメリット
検査歴10年の私が感じる非破壊検査業界に就職するメリットはコチラの5つです。
- 正社員になりやすい
- 資格を取れば食いっぱぐれは無い
- 平均年収以上は狙える
- 休憩時間が多いし、暇な時も多い
- コミュニケーションに自信が無くても大丈夫
それぞれ詳しく説明していきます。
①正社員になりやすい
人手不足の業界のため、他の業種よりもかなり正社員になりやすいと思います。
言い方は少し乱暴ですが、私の会社では誰でも正社員に採用されている印象です。
自分も含めて毎年毎年、何で採用されたの?って新入社員がドンドン入社してきます。
また、新卒じゃなくても既卒者、フリーター、ニートの方でも比較的簡単に入社しやすいのも一つの特徴です。
実際に私は職歴が無い20代後半の既卒(ニート)なのに、普通に新卒として入社することが出来ました。
正社員になるメリットは凄くあり、社会的な信頼性、社会保険や労働保険などの福利厚生、雇用が安定しているといったメリットを受けれます。
また、転職を考える上でも派遣などの非正規雇用から正社員への就職よりも、正社員から正社員への転職の方が成功しやすいのは間違いありません。
そのため、希望の就職が中々出来なくて厳しい状況であれば、いったん正社員になって落ち着いてから転職を考えてみるのも一つの方法だと思います。
➁資格を取れば食いっぱぐれは無い
非破壊検査を行うには各検査に関連する資格を持っている人しか行うことが出来ません。
そのため、資格を取得して基本的な検査が出来る人ならば、色々な現場で大変重宝されます。
現状、資格があれば非破壊検査の業界内なら転職がかなりしやすいので、食うには困らい状態が保てます。
資格を維持するには10年に1回の更新試験があって面倒なものの、資格を維持することが出来れば60歳を超えても余裕で働けます。
(年金が延期される中で、60歳を超えても資格があれば働けるのはありがたいっちゃありがたいです)
各検査に求められる資格試験は会社持ちの場合が多く、大きい会社なら自社で試験対策が可能です。
基本的な検査の資格はそこまで難しくはありませんので心配はいりません。
③平均年収以上は狙える
非破壊検査の業界は給料が安いと良く言われますが、それでも平均年収より少し上くらいは到達出来ます。
下記の記事によると、2022年の平均年収は全体で403万円、20代で342万円、30代で435万円になりますが、これより上は十分稼げます。
【参考記事】
年齢・年代別に見る日本の平均年収(平均年収ランキング最新版) |転職ならdoda(デューダ)
私は少し大きめの検査会社に入社して10年位になりますが、ここ数年の年収は500万円を超えてきています。
ただ、資格を多く取って給料を上げることが必要だったり、繁忙期での残業や休日出勤込みでの給料になっている部分には注意が必要です。
一方で50代での平均年収596万円を超えるのは結構大変で、それこそ管理職とかに昇格しないとこの平均年収は超えるのは中々難しいのかな?と感じます。
④休憩時間が多いし、暇な時も意外とある
働く場所や会社によって違うと思いますが、私が非破壊検査に関わって最初の印象が「休憩時間多くね?」でした。
私は化学プラントでの検査が中心ですが、昼休みの時間の他に10時の休憩と15時の休憩がありました。
溶接や足場とかの職人さんも化学プラントで働いているため、職人さんの文化の影響かもしれません。
また、非破壊検査会社は自社で仕事を増やすことは出来ず、化学工場などのお客さんからの依頼があって初めて仕事が出来ます。
そのため、お客さんの依頼次第で仕事の量が決まってしまうので、午前中だけ仕事して午後から待機とか、この期間は仕事が少ない時期といった暇な時間が意外と多いです。
(外仕事の場合は雨で中止とか良くあるので、朝雨が降ってたらガッツポーズです)
暇な時期が長いと出張に行かされたりするのですが、中途半端に暇なときは事務所で勉強したり、スマホゲームをして時間をつぶす事も意外と多いです。
私は入社して結構暇な時間の過ごし方が難しかったので、当時持っていたガラケーをスマホに変えてパワプロアプリで現場の休憩時間を過ごしてしました。
会社によってだと思いますが、意外と休憩時間や暇な時間が多いのも非破壊検査の特徴かもしれません。
⑤コミュニケーションに自信が無くても大丈夫
就職活動で重要と言われるコミュニケーション力。
もちろん、あるにこしたことは無いのですが、コミュ力が無くても採用されますし何とかなります。
挨拶と分からないことを分からないと言えれば、後は何とかやっていけます。
というのも、ネタでは無く本当に意思疎通が難しい人が入社してくることが意外とあるからです。
質問したことに対して答えてくれず、「あー、いえ~」ともじもじして会話が終わるということがガチであります。
先輩から質問されたことに対して、小さな声でも答えられればバッチシで、コミュ力に問題ないと判断してくれます。
何より先輩自身もコミュ障なことが多いので、仕事に関わる必要最低限のことしか喋らない人も多くいらっしゃいます。
移動中の車内が沈黙して気まずいのですが、自分から喋る必要もないので楽っちゃ楽です。
さらに、お客さんと打ち合わせとかするのはリーダの仕事なので、いうほどお客さんと接する機会は無く、経験を積んでリーダになるまでは現場で会った時に挨拶する程度しかありません。
接客みたいなことは無いので、コミュ力に自信が無くても意外と何とかなるので心配ないかと思います。
4. 入社前に確認しておいた方が良い3つのこと
非破壊検査の会社に応募する時に気にしておきたいことが次の3つです。
- 資格取得に関すること
- 出張の頻度
- 残業の多さや本当の集合時間
それぞれ詳しく説明します。
①資格取得に関すること
非破壊検査の会社でかなり重要なのは資格取得です。
資格を取得することで資格手当が発生することで給料が上がりますし、資格の数が昇格にも影響があことが多いです。
そのため、資格手当の金額や資格取得に関する教育の流れは結構大切で、説明会でしっかり確認すべき項目です。
資格手当の金額は各社で違いが出る部分です。年収に直接関係する部分ですので気にしておくべきです。
ちなみに、会社としても資格取得者の人数を増やしたいので、「色々な資格を取りたい」と資格取得に対して熱意があることをアピールすると印象が良いです。
(そんなアピールする必要も無いっちゃ無いですが)
➁出張の頻度
非破壊検査の業界は忙しい時期と暇な時期があり、暇な時期に他所の営業所に出張に行くケースが多いです。
また、小規模な検査会社ですと大きな検査会社に出向して働くことがあるため、全国あっちゃこっちゃに出向している人も多いです。
そのため、出張に行くことに抵抗がある場合は出張の頻度について確認してやって行けそうか確認することが大切です。
また、同じ会社でも配属される営業所によって出張があったり、無かったりと色々違いますので注意が必要です。
出張に行けば出張手当が発生して給料が増えるので、決して悪い事ばかりではありません。
③残業の多さや本当の集合時間
繁忙期は結構な残業をする時があります。
残業が多ければその分稼げますが、その分当然疲れますし、プライベートの時間が削られます。
繁忙期が年にどれくらいあるのか、どれくらい残業するのかは確認しておいた方が良いと思います。
私の会社でも残業が嫌で辞めた人もいますし、反対に残業を期待していたのに全然無くて辞めた人もいます。
また、就業時間に朝8時からと言われていても、本当にその時間に集合すれば良いとは限りません。
場所によっては現場に8時という場合もあり、7時前に会社に集合して車で現場事務所まで行くこともあります。
本当の集合時間は確認して、許容できるかどうかは気にした方が後で後悔しません。
5.まとめ
当記事では、とりあえず正社員になれれば良いなら「非破壊検査」という業界も悪くないという話をしました。
前提条件として、ホワイトの職場では決して御座いませんし、友人にオススメ出来るほど給料が貰える訳ではありません。
ただ、正社員への採用が困難でブラック企業や非正規で働くくらいなら、非破壊検査の会社の方が結構マシな部分があります。
誰でも簡単に入社出来ますし、私の周りのブラック企業に勤めている方の話を聞く限りだと、残業代も出るので結構マシな方だと感じています。
中々就職が決まらなくて悩んでいる状況であれば、非破壊検査の会社で正社員になって、仮面浪人のように働きながら次の転職を考えてみてるのも一つの手段です。
新卒じゃなくても既卒、フリーター、ニートであっても高い確率で採用されると思います。
(すべての会社がそんな感じとは限りませんが)
非破壊検査の求人は大学生が使う新卒用の就活サイトであるマイナビで「非破壊検査」と打つと、様々な非破壊検査の会社の求人が出てきます。
(転職サイトには中々求人が無いと思います)
新卒や既卒で応募条件にあえばそのまま応募すればOKですし、条件に合わない場合は興味をもった会社のホームページから直接応募やメールをすればOKです。
また、規模が小さい地元の検査会社を探す場合はハローワークで検索してみるのがオススメです。
とりあえず元気さえあれば結構な確率で受かると思いますので、面接だけでも一発かましてやる気がある風に見せればOKです。
(私の会社の場合は元気が無くても受かりますが・・・)
当記事を読んで非破壊検査に興味を持って頂けたら幸いです。
コチラの入門書をチラッと見ておくと、具体的な検査内容を知ることが出来るので応募する前に確認しておくとイメージしやすいと思います。