当記事では学振と呼ばれる日本学術振興会の特別研究員への採用がどうすごいのか解説しています。
学振DC1及びDC2と呼ばれる制度は優秀な博士課程を支援する制度で、採用されれば給料+研究費が給付されます。
私もDC2に採用され、ありがたいことに博士課程2年時から給料20万円を頂きながら研究生活を送らせて頂きました。
(途中で中退しちゃいましたが・・・)
学振は給料が給付されるだけでなく、大学機関での研究職への登竜門的な立ち位置にもなっており、アカデミックでの就職に一つのアピール材料になります。
特に、修士課程2年時に応募できるDC1に採用されれば、超エリートとして周囲の人間から一目置かれるのは間違いありません。
本記事ではエリートの証である学振DC1/DC2のすごさと、私の経験から採用されるために大切なことを語っていきます。
当記事の著者情報
私は偏差値が40台の私立大学の化学系の研究室に在籍。
修士課程時に応募した学振DC1はA判定で不採用。
次年度に応募したDC2で無事に面接免除で採用。
当記事ではDC2で採用された実体験を元に当記事を作成しています。
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1.学振DC1/DC2とは?
博士課程の学生が良く話題にしている学振とは、優れた若手研究者の養成・確保を図るための制度です。
将来研究者となることを目指す大学院博士課程の方を「特別研究員-DC」に採用し、2~3年間の給付金を給付することで研究に集中できる環境をサポートしてくれます。
博士課程1年時の特別研究員がDC1、博士課程2年時・3年時の特別研究員がDC2と呼ばれています。
(博士課程卒業者向けの制度でPDというのもあります)
学振DC1/DC2に採用されれば、研究奨励金として毎月20万円と年150万円以内の研究費が給付。
研究職への登竜門として知られており、将来研究職を目指す多くの博士課程の学生が採用を狙っていくことになります。
【参照先】
制度の概要(PD・DC2・DC1) | 特別研究員|日本学術振興会
2.学振がすごいと言われる3つの理由
学振がすごいと言われるのは次の3つの理由があるからです。
- 研究奨励金と研究費の給付
- 研究職への就職活動でアピール出来る
- 研究環境に恵まれている証拠
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①研究奨励金と研究費の給付
学振DC1/DC2の1番すごい所は研究奨励金と研究費が給付されることです。
研究奨励金は言わば給料に相当するもので、毎月20万円給付されます。
この月20万円の給付は非常にありがたく、博士課程の授業料や生活費をまかなう事ができるので、それだけで博士課程卒業まで研究に専念しやすくなります。
日本学生支援機構の奨学金を借りなくても良いという安心感や、授業料や生活費を工面する必要が無いことから、本当に精神的に楽になります。
私もDC2に採用されたことで奨学金を借りる必要がなくなり、バイト等も考える必要が一切なくなりました。
また、給料とは別に研究費が年150万円以内が支給されます。
実際に支給される額は採用された年によって違うのですが、研究費によって最新のパソコンやソフトが買えたり出来ます。
(実際にどれくらい好きに使えるかは研究室によって違うようです)
自分自身で好きに使える研究費があれば研究の幅も広がるので、より研究がしやすい環境を作れます。
➁研究職への就職活動でアピール出来る
学振DC1/DC2は研究職への登竜門的な位置づけです。
学振に採用されれば一つの肩書となり、研究職への就職活動で高評価が得られます。
「特別研究員DCの就職状況調査」によりますと、5年経過後(H27年度終了)調査では75.4%の方が常勤研究職に就職出来ています。
【参照先】
特に、大学機関での研究ポストを狙う上では学振が一つの指標になり、他の同期と比べて一歩リードしていると自信をつける事が出来ます。
(もちろん、学振を取ったからといって将来の就職は保証されないので油断は禁物です)
学振DC1は選ばれたエリート候補しか採用されないため、一歩どころか二歩・三歩リードしている状況と言っても過言ではありません。
残念ながらDC1に不採用になった場合は、何が何でもDC2を取って後れを取り戻す覚悟が必要です。
③研究環境に恵まれている証拠
学振DC1/DC2に採用されるのは実力の他に、研究環境が恵まれていることも関係あると思います。
特にDC1は修士課程2年時の春に申請するため、学部4年時と修士1年の計2年間での研究成果を元に書類を書かないといけません。
この期間は先輩やスタッフの協力無くては絶対に研究は進まず、自分自身の力だけでは研究成果を上げることが出来ません。
(博士課程1年の春に申請するDC2にも言えることですが)
どうしても研究室での後押し(協力)や研究テーマとの相性が重要で、本人の実力はもちろんですが、運の要素も少なからずあるかと思います。
逆に言えば、DC1を取れる環境があれば、その後も恵まれた研究環境を利用して研究業績を増やしたり、研究者としての実力を伸ばすことが出来ます。
このように学振DC1/DC2が取れるなら研究環境は恵まれていると言っても間違いではなく、不採用だった同期との差をドンドン離すことが出来きます。
3.学振DC1/DC2の取り方
学振で採用されるには何より研究業績が重要になってきます。
私はDC1申請時の時は第一著者の論文が間に合わなく、共著の論文が1報あっただけで申請して不採用でした。
(評価が不採用のAランクだったので、第一著者の論文が1本あればイケたのかな?と思ったり)
1年後のDC2の申請時にはインパクトファクターは低いものの、第一著者の論文があったり、規模が小さい学会でのポスター賞のおかげで無事に採用することが出来ました。
ちなみに、私は偏差値が低い私立大学に通っていたこともあり、「絶対に受からないわ」という思いだったので、他の申請書は1週間位で適当に作ったので研究計画は全くクオリティが低いはずです。
(D1で研究室が変わり、そこの先生から「やりたい研究内容を把握したいから書いてみて」と言われて書いただけで、誰にも添削されずにそのまま応募しています)
私の場合は少し昔の例で今は変わっているのかもしれませんが、この経験から業績が何より大事なんじゃないかな?と身を持って感じています。
一方で、学振DC2は博士課程1年と2年の学生が応募するため、業績無しで採用されることは厳しいんじゃないかと思います。
(私は化学分野でしたので、他の分野では事情は違うかもしれません)
また、DC1に申請するM2の学生は目立った研究業績が無い人も多いので、研究計画や自己評価の書類の出来で採用を狙える可能性が高いです。
有名研究室になると様々なノウハウがあったり、とんでもない回数の推敲をして申請すると聞いたことがあります。
研究室配属前から博士課程に進学することを決意しているならば、研究室の先生に進学を伝えておくことで学振のための協力が得られるかもしれません。
4.偏差値が低い大学でもチャンスは十分ある
学振の採用率は6人に1人の割合なので、神制度の割にはそこまで絶望的な数字ではないかと個人的には思っています。
一部にはコネだったり、旧帝大のような超有名大学じゃないと受からないという噂もありますが、私は偏差値40台の私立大学から採用されたので審査自体は平等のはずです。
もちろん、有名大学の研究室では学振に合格するためのノウハウが蓄積されているので、当然受かりやすい環境なのは間違いありません。
ただ、どんな形でも研究業績さえ増やすことが出来るのならば、偏差値が低い私立大学でも十分チャンスはあるかと思います。
業績があれば有名大学の研究室と戦えはずです。
偏差値が低い私立大学でも研究室の教授は有名大学出身のことが多いです。
周りからは学振の情報を得られることは難しい場合でも、先生に相談すれば色々とアドバイスを頂けるかと思います。
博士課程に進学するならダメもとでチャレンジしてみてはどうでしょうか?
5.まとめ
当記事では学振DC1/DC2がどうすごいのかを解説しました。
学振DC1/DC2に採用されれば次の3つの恩恵があり、研究職を目指す博士課程にとって絶対に採用されたい神制度です。
- 研究奨励金と研究費の給付
- 研究職への就職活動でアピール出来る
- 研究環境に恵まれている証拠
学振は研究職への登竜門としての位置づけであり、「特別研究員」という肩書をアピールできるだけでなく、恵まれた研究環境で多くの研究実績を積めるのが魅力です。
私個人の実体験を元にすると、学振に採用されるには何より研究業績が重要だと思います。
そのためには学部4年時から学振に採用されるために研究を頑張っていく事が必要で、日々の睡眠や体調管理に気をつけたい所です。
研究業績を上げるために深夜まで研究する先輩も見かけますが、めちゃくちゃ効率悪いし健康を悪化させます。
しっかり睡眠を取れば頭もスッキリして効率良く研究が出来るかと思います。
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値段は29,800円と研究成果を上げるための自己投資として考えれば悪く無い値段かと思います。
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