当記事では文系出身でも放射線取扱主任者試験に合格するための方法・戦略を紹介しています。
放射線取扱主任者試験はバリバリの理系資格であり、第1種の試験は理系資格の中でも難易度が高い試験なのは間違いありません。
ただし、文系出身の人が絶対に合格出来ないか・・・と言えばそうでもなく、しっかりと勉強すれば合格を十分狙えます。
放射線主任者試験が難関資格とされる一番の理由は広すぎる試験範囲です。
逆に言えば、全ての試験範囲をしっかり勉強すれば合格出来ますし、勉強不足になってしまえば放射線学科の人でも落ちる試験です。
(どの試験にも言えることだと思いますが)
文系出身の方が理系よりも不利な部分があるのは確かですが、その差は言うほど大きくは無いと私は感じています。
文系資格で例えるなら、宅建を受けるのに法律学科の学生は超有利ですが、その他の文系の学生と理系の学生で言うほど有利・不利の差が無いのと一緒です。
私は化学系の大学出身なので説得力がありませんが、私の会社には文系出身の人でも放射線主任者試験に合格している人は複数人います (1種及び2種ともに)。
そのため、放射線主任者試験は勉強すれば誰でも合格が狙える試験で、ゴリゴリの努力で何とかなると思っています。
当記事では文系出身者が第1種放射線主任者試験に合格するための方法・戦略を解説していきます。
受験しようか迷っている方の背中をそっと押させていただきますので、ぜひ当記事を参考にしていただけたらと思います。
当記事の信頼性
2018年の第2種放射線取扱主任者試験に1発合格。
2022年の第1種放射線取扱主任者試験に6ヶ月間勉強して1発合格。
私自身は化学系の大学出身で理系の人間なのですが、職場で合格された文系出身の方の話と私自身の経験を元に当記事を作成しています。
※合格体験記事はコチラ
- 1.文系でも第1種放射線取扱主任者試験に合格出来る理由
- 2.第1種放射線主任者試験に合格を目指す勉強ルートについて
- 3.各試験の勉強方法
- 4.放射線取扱主任者試験に合格するための点数配分
- 5.勉強時の注意事項
- 6.まとめ
1.文系でも第1種放射線取扱主任者試験に合格出来る理由
放射線取扱主任者試験の名称から分かるように、放射線を扱うバリバリの理系資格です。
そのため、「文系出身では合格は無理なのでは?」と受験しようか迷っている状態だと思います。
理系出身者の方が試験に対するアドバンテージがあるのは確かですが、その差は試験を諦めるほど大きくはありません。
理系と文系で変わることと言えば次の2点。
- 数式や計算に苦手意識があるかどうか
- 物理・化学・生物に詳しいかどうか
理系の方がすごく有利に見えるかもしれませんが、理系だからといって各科目が得意という訳ではありません。
物理を選択しなかった理系の人も大勢います (私もそうでした)。
そもそも、放射線に関することは放射線学科の人じゃなければ習う機会が少ないので、理系の人でも結局は一から勉強することの方が多いです。
(社会人になったら学校で習った理系の知識もほとんど忘れていますし)
例えば、生物の授業でDNAの構造については勉強しますが、DNAの放射線による影響までは知らない人がほとんど。
また、放射線取扱主任者試験で出題される物理の公式や化学の知識というのは限られています。
数学で必要な計算もルートや簡単なlogや指数計算がある位で、実際に微分・積分を使って計算することはありません。
高校までの理系の知識があれば有利なのは間違いありませんが、理系であっても基本的には1から学ぶことが大半です。
放射線取扱主任者試験のテキストを読んで、必要な部分だけ高校のテキストに戻って勉強したら良い位の気持ちで大丈夫だと思います。
文系であっても数学や化学の授業自体はは受けているので、文系と理系で言うほど大きな差はないと思いっています。
過去問を攻略すれば放射線取扱主任者試験は合格出来る
放射線取扱主任者試験は理系の知識があれば有利になりますが、文系だからといって最初から諦めるような試験ではありません。
放射線取扱試験は勉強量が必要になりますが、勉強さえすれば誰にでも合格出来る試験です。
勉強する過程で文系の人の方が理系よりも苦労や努力が少し多くなるだけで、「1年余分に勉強しなくてはいけない」というような絶望的な差ではありません。
私の会社でも文系の人で放射線主任者試験に合格している方も複数人いますし、逆に放射線学科の人でも普通に落ちている試験です。
試験範囲がとても広いので勉強量がものを言う試験になりますがが、逆に言えばゴリゴリ勉強すれば誰にでも合格出来る試験です。
(特別な理系的センスだったり、超難しい数学的理論が必要ではない試験です)
また、放射線主任者試験も他の資格試験と同様に、過去問攻略をすれば本試験でも合格する力はつきます。
過去問と全く同じ問題が出ることは少ないのですが、似たような問題が何回も出題されたり、毎年出題される頻出分野というのも当然あります。
合格するために取り組むべきことは明確で、テキストを理解して過去を何周もして解けるようになるだけです。
ただ、試験範囲が広すぎるので勉強量が大変なだけで、計画的に勉強すれば誰でも受かりますし、勉強不足になったら放射線学科の人でも落ちるという仕組み。
文系の場合は「mol計算ってどうだったけ?」、「logの計算ってなんだっけ」というように、理系の人と比べて復習すべきことが少し多いだけです。
(理系の人でも物理を苦手にしている人もいますし、社会人の方なら忘れていることが大半です)
高校の基礎的な知識を復習したら良いだけなので、絶望的な差は理系と文系の差はありません。
私も化学系の大学出身なのに、卒業してから10年もたっているので専門の化学ですら覚えていること少なかったです。
放射線主任者試験は合格点を取れば誰でも合格出来る試験なので、あなたが合格点を取れれば、他の人の点数は関係なく合格出来ます。
理系・文系だからと変に考える必要はなく、1度思い切って挑戦してみるのが一番です。
具体的にどういう風に合格を狙うのかしっかりと解説していきます。
2.第1種放射線主任者試験に合格を目指す勉強ルートについて
第1種放射線取扱主任者試験に合格する方法は図のように2種類あり、違いは下位資格である第2種を経由するかどうかです。
まず初めに、理系・文系関係なく放射線を始めて学ぶ場合はX線作業主任者という資格試験を経由すべきです。
それぞれの資格試験の難易度はコチラのようになっており、X線作業主任者は放射線資格の中でも1番基礎となる資格になります。
- エックス線作業主任者(レベル1~2)
- 第二種放射線取扱主任者 (レベル6~7)
- 第一種放射線取扱主任者 (レベル10)
※私が実際に受験して感じたレベル差に基づいて作成
当然、エックス線作業主任者を合格したからといって放射線主任者試験の問題を解けるようになるまではいきませんが、基礎を固めとくことで主任者試験を勉強する上でかなり役立ちます。
特に、主任者試験で必要なlogやルート、指数計算といった数学的な要素はX線作業主任者試験で勉強することが出来ます。
放射線主任者試験の方が計算が複雑になったり覚える公式が多くはなりますが、必要とされる数学の知識は変わりません。
X線作業主任者試験を受験した後に第2種を経由するかどうかが迷う所ですが、それぞれのルートのメリット・デメリットについて説明していきます。
① 第2種を経由するメリット
エックス線作業主任者試験に合格した後に第2種放射線取扱主任者試験を経由するかどうか2つのルートがります。
第1種と第2種の違いは扱える放射性同位元素の種類が多くなり、職務範囲が広くなることです。
そのため、当然のように下位資格である第2種の方が覚えることが少なくて簡単ですし、第1種の方が職務範囲が広い分覚えるべきことも膨大です。
(それでも第2種で使用する参考書は600ページもあり、第2種でもかなりの勉強量が必要です)
第2種の方が第1種と比べて問題の難しさは易しくなりますので、第2種を経由することで段階的に勉強出来るのが大きなメリットです。
ただ、放射線取扱主任者講習の講師の方も言っていたのですが、第2種は以前と比べて難化しており、範囲が狭い分深い問題も出題されるので、言うほど第1種と比べてメチャクチャ簡単という訳ではありません。
私も結構難しくて苦戦した経験があるので、第2種でもそれなりの勉強量は要求されます。
➁第2種を経由するデメリット
簿記やFPのような他の資格試験と同様に、下位資格の第2種を経由して第1種を目指すのが当然のように思えますが、実は2つのデメリットがあるので注意が必要です。
- 良い参考書が無いので勉強がしにくい
- 第1種を取得するまでに時間が余分に1年かかる
まず、第2種放射線取扱主任者試験で使えるテキストが「初級放射線」というものしかなく、これが非常に勉強がしにくいです。
ページ数が600ページ以上ある上に固い文章なので思うように勉強が進みません。
受験用に分かりやすくしたテキストも何冊かあるにはあるのですが、年度が古すぎて現在の法令に全く対応していません。
一方で第1種には「マスター・ノート」や「完全対策問題集」という受験に特化した参考書があって勉強を進めやすいです。
(最新の法令にもしっかり対応しています)
特に、「マスター・ノート」という参考書はページ数が400ページ位しかなく、原子の構造という高校で習う基本的な部分からスタートするので、第2種を経由しなくても勉強を進めることが可能です。
※それぞれの参考書についてはコチラの記事で詳しく解説しています。
また、放射線取扱主任者試験は年に1回しかないため、第2種を経由してしまうと第1種を取得するのに1年間後の試験まで待たなくてはいけません。
簿記やFP試験は年に複数回受験出来る機会があるので、3級から2級というように順番に取得しやすいです。
第2種放射線取扱主任者試験に合格した直後の知識があれば、正直1年間みっちり勉強する必要はなく、3ヶ月とかそれくらいで第1種に合格できる実力はつくと思います。
なので、最初から1年間ほど勉強期間を確保して、第2種を経由しないで第1種を直接受験した方が勉強する期間や取得までの期間は短くなるメリットがあります。
第1種の受験用の「マスター・ノート」なら基礎から勉強出来るので第2種を経由しなくても勉強を進めることが可能です。
③第2種を経由するかどうかの判断
第2種を経由するかどうかの判断は第2種を取得するメリットがあるかどうかです。
職場によっては第2種を取得しても意味がないというケースもあるので、そういう場合は第2種を経由するメリットは薄くなります。
一方で私の職場のように第2種を取得することで資格手当も出るような場合は、第2種を取得するメリットは十分あります。
第2種を取得しても意味がある場合なら、第2種を確実に取得してから次年度以降に第1種を目指す方法も悪くありません。
また、第2種を経由しなくて第1種に合格出来るのか疑問に思われるかと思いますが、直接第1種を目指しても十分合格可能です。
私は第2種を取得してから4年後に第1種に合格してはいますが、実際の業務では放射線を扱う部署ではないこともあり、全く第2種の内容を覚えていませんでした。
第1種を勉強する時は非常に新鮮な気持ちで、「これ第2種で勉強したな」という懐かしい気持ちすら沸いてこないほどです。
そんな状態でも第1種の参考書で勉強を進めることが出来たので、直接第1種を勉強しても問題ないことを実感しています。
何より、第1種の方が受験用のテキストは第2種の知識を前提にして作られていないので、第1種からでも基本から学べるので問題ありません。
結論としてはX線作業主任者に合格した後は、第2種を取得するメリットが無いのなら直接第1種を勉強した方が良いです。
第2種を経由しても2年かかります。
1発合格目指して第1種を受験して、万が一落ちてしまっても次の試験で合格すれば第2種経由と一緒です。
それなら、一発合格を狙って第1種を直接受験する方がメリットの方が大きいです。
一方で第2種を取得するメリットがある場合も、試験まで時間が1年位あるのなら直接第1種を狙ってみる価値は十分あります。
1種と2種は試験日が異なるので併願も可能ですし、最終的に第1種を目指す必要があるのなら2種を経由しない方が効率的かもしれません。
3.各試験の勉強方法
2章で述べた勉強ルートを元に次の3つの試験に対する勉強方法を具体的に紹介していきます。
- エックス線作業主任者試験
- 第2種放射線取扱主任者試験
- 第1種放射線取扱主任者試験
①エックス線作業主任者
エックス線作業主任者試験は放射線関連の資格の中で1番基本的な資格です。
放射線に関する勉強が始めてという方は、まず初めにエックス線作業主任者試験から勉強した方が良いです。
令和3年度のエックス線作業主任者試験の合格率は35%と意外と低いのですが、過去問から似たような問題が出るので、実際はそこまで難しい試験ではありません。
参照先:試験実施統計
勉強方法としては受験用の参考書1冊を読んで、過去問を繰り返し解いていけば余裕で合格出来ます。
オススメの参考書はコチラの2冊です。
- テキスト:「エックス線作業主任者 徹底研究 (改定第3版)」
- 過去問 :「エックス線過去問題・解答解説集 」
勉強の目安は1ヶ月~2ヶ月位になりますが、この2冊を繰り返し勉強すれば確実に合格することが可能です。
(受験日が平日なのがネックですが、地域によっては出張試験で休日に受験出来るところがあります)
エックス線作業主任者の試験勉強する時に重要なのが計算問題は逃げないことです。
ぶっちゃけた話、この資格試験に合格するだけなら計算問題を捨てても合格は出来ます。
ただ、主任者試験では計算問題を逃げることが出来ない科目があるので、エックス線作業主任者試験レベルの計算問題は絶対に乗り越えないと主任者試験の計算問題に全く対応できなくなります。
放射線主任者試験で使う数学的な知識はlogやルート、指数計算位で、このエックス線作業主任者試験で復習することが可能です。
放射線取扱主任者試験の方が計算が複雑だったり、覚える公式は当然多いのですが、必要な数学の知識という点ならX線作業主任者で同じです。
そのため、エックス線作業主任者試験での計算問題を確実に解けるようになれば、主任者試験でも役立ちますので絶対乗り越えていきましょう。
➁第2種放射線取扱主任者試験
第2種放射線取扱主任者試験はエックス線作業主任者より難易度がぐっと跳ね上がります。
勉強の仕方という点では参考書1冊と過去問を何周もするという点は一緒ですが、分量が多いため勉強方法に工夫が必要になっていきます。
使用する参考書と過去問はコチラの2冊と決まっています。
- 初級放射線
- 放射線試験問題集
これ以外にも分かりやすいテキストはあるのですが、あまりに古すぎるので現行の法律に対応していないのでオススメできません。
勉強する時のコツはいくつかあり、次の2つのことを意識して勉強するのがオススメです。
- 生物→化学→物理→実務→法律の順番で勉強する
- 復習重視で勉強を進めていく
それぞれ詳しく見ていきましょう
➁-1:勉強の順番について
放射線主任者試験は5つの科目から試験が構成されており、各科目が結構なボリュームがあります。
勉強を進める上で一ページ目の物理から勉強する必要はなく、最初は暗記科目である生物から仕上げていくのがオススメです。
物理が一番計算問題が多いので、先に計算問題が少ない生物からスタートダッシュを決め、計算が多くなる化学・物理の順番で仕上げていくのが勉強を進めやすいと思います。
実務という科目は物理・化学・生物の知識をベースにしている部分があるので、この3科目を飛ばして実務の勉強をするのは非効率。
法令の科目は単純に暗記科目なので、最後に覚えるのが一般的な方法になっています。
➁-2:復習重視で勉強を進めていく
放射線取扱主任者試験は第2種でも膨大な範囲を勉強しなくてはいけません。
使用する「初級放射線」の参考書は600ページ以上もあるので、単純に600ページを一気に勉強してしまうと、参考書を1周したころには最初の300ページは全く覚えてないことになります。
そのため、勉強したことを忘れないように次のように復習しながら勉強を進めるのがオススメです。
- 昨日勉強した所を復習してから新しいページに進む
- 1つの科目を仕上げたら、その科目を忘れないように過去問を解きことと、新しい科目の勉強を両立する
具体的な勉強としては以下のような流れになるかと思います。
例えば、最初に生物の科目を仕上げるのなら、まずは「初級放射線」の生物の部分だけザっと1周読んでみます。
ここでは全体の流れといいますか、全体像を把握するだけなので暗記しようとはしなくてOKです。
2週目から理解しながらしっかりテキストを読んでいきます。
まずは生物の1章を勉強して巻末問題を解けるようにします。
次の日にいきなり2章から勉強するのではなく、前日の1章の巻末問題を解けるか確認してから次の章の勉強をします。
不正解の部分や記憶が微妙な所は一度テキストに戻って復習してから、2章に進みます。
「初級放射線」での生物の勉強が一通り終えたら、今度は実際の過去問を解いていく段階になります。
最初は全く解けないかもしれませんが、とりあえず5年分を1周して分からない部分はテキストに戻って復習します。
合格点の6割を取れるようになったら生物を仕上がったと判断して、次の科目の化学に進みます。
ここで大切なのが、化学を勉強している間に生物の勉強を全くしないとドンドン忘れていきますので、生物の過去問を解きながら化学の勉強をすることが大切です。
この時、生物の過去問を丸々1年分やってしまうと化学の勉強をする時間がなくなりますので、毎日5問ずつ解いていくとか、上手く問題量を調整することが重要です。
脳科学の観点から最適な復習するタイミングは「1日後、3日後、7日後、21日後、49日後」と言われており、定着した知識は上手く感覚をあけながら復習していくのがオススメです。
このように、復習重視でドンドン進めていけば勉強したことを忘れにくくなるので、効率良く勉強が進みます。
だいたい1ヶ月で1科目仕上げるようなスケジュールで進めれば、半年の勉強期間で第2種放射線取扱主任者試験に合格できるかと思います。
③第1種放射線取扱主任者試験
第1種放射線取扱主任者試験の勉強法は基本的には2種と勉強方法は一緒です。
ただ、試験範囲が広くなっているのでその分覚えるべきことが多いだけで、勉強の流れは同じで、復習重視で各科目を仕上げていくのがオススメの方法です。
第1種放射線取扱主任者試験では使うべき参考書はコチラの4冊。
- マスター・ノート-4th edition (普段使い)
- 完全対策問題集 (普段使い)
- 放射線取扱主任者試験問題集 (総仕上げ)
- 放射線概論 (辞書的に使う)
第1種放射線取扱主任者試験では受験に特化した参考書があるので、「マスター・ノート」と「完全対策問題集」を併用しながら日常の勉強に使うのがオススメ。
「完全対策問題集」は5年分の過去問を分野別に並べてあるので、勉強した所から実際の過去問に挑戦できるので効果的な勉強が出来ます。
基本的な復習方法は第2種で述べたのと同じで、こまめに復習しながら次に進んだ方が確実に勉強が進みます。
私は勉強期間を半年で第1種に合格しましたが、第2種を経由しない場合は少し多めに時間を取るのがオススメです。
1ヶ月半で1科目仕上げて、最後の1ヶ月で過去問の総復習にあてる計10か月間の勉強期間があれば、文系の方でも十分に合格を狙えると思います。
エックス線作業主任者試験に2ヶ月と第1種放射線主任者試験に10ヶ月の約1年間勉強すれば、第2種を経由しなくても余裕を持って合格出来るのかなと考えています。
※コチラの記事でも第1種放射線取扱主任者試験での勉強法について解説していますので参考にしてみてください。
4.放射線取扱主任者試験に合格するための点数配分
放射線取扱主任者試験は第1種及び第2種ともに合格ラインは次のようになっています。
各科目で5割以上かつ全体で6割以上得点を取ること。
第1種及び第2種ともに物理・化学・生物・実務・法令の5科目があり、各科目で絶対に5割は取らないと不合格になります。
逆に言えば全ての科目で6割以上の正解を狙う必要がなく、他の科目でガッツリと点数を稼ぐことが出来れば苦手な科目は5割でも合格は出来ます。
文系の方が目標とする点数配分は法令8割、生物7割で他の3科目は6割以上を目指しつつも最悪5割でOKというスタンスで本番に挑むのが良いです。
計算問題が極めて少ない法令と生物は点数が稼ぎやすいので、この2科目でガッツリ点数を稼げば残りの3科目は最悪5割ギリギリでも合格出来ます。
物理の科目が1番計算問題が多いので1番苦戦する科目になると思いますが、半分解ければ良いと考えたら大分気分が楽になると思います。
ただ、計算問題を捨てるという発想は絶対にダメで、計算問題を捨てれるほど放射線主任者試験は甘くないので注意が必要です。
これらの合格ラインを超えるための点数を取る方法はシンプルで、過去問をいかに解けるようになっていくかが重要です。
他の資格試験でも同様に、過去問と似たような問題が出題されることが多く、合格点を取るだけなら過去5年分の過去問をしっかり解けるようになっていればOKです。
もちろん、本番の試験では過去問では全く見たことがない問題も出題されますが、過去問5年分マスターしていたら合格点は取れるようになっています。
過去問5年分を8割以上解ける!!という状態まで持っていけるなら、本番でミスを連発しない限りは6割は解けると思います。
(法令は得点源になるので、過去問で9割以上解けるようにしておきたい所)
文系の方にとって一番やっかいな科目が物理だと思いますが、公式に当てはめるだけで解ける問題もありますし、過去問と似たような問題も当然あります。
計算問題もたくさんありますが、単純な暗記問題もあります。
最終的には繰り返し過去問を解いていくことで、解ける問題を徐々に増やしていければ物理でも5割を超えることは出来ます。
どの試験でもそうだと思いますが、最終的には過去問を何周もして解けるようになることが重要なので、諦めずに何度も何度も過去問に挑むことが重要です。
5.勉強時の注意事項
実際に放射線取扱主任者試験を受験する時の注意点がコチラの3つあります。
- 1度に理解しようとこだわり過ぎない
- 復習重視
- 過去問第一主義
これまでの繰り返しになることも多いですが、詳しく見ていきましょう
①1度に理解しようと頑張りすぎない
勉強をする上で理解しながら勉強を進めることが重要ですが、1度で理解しようと頑張りすぎるのは良くありません。
放射線主任者試験では難しい内容も多く、正直よく分からない所もあります。
難しい内容の所を理解しようと頑張ることは良いことですが、深追いしすぎて勉強が全然進まないのは問題です。
分からない所はいったん飛ばして後回しにしたり、「(よく分からんけど)こんなもんか」と割り切って丸暗記するくらいの気持ちでOKです。
放射線主任者試験は6割以上取れれば合格出来る試験ですので、難しい1割のことにこだわらずに、進められる範囲を先に勉強しちゃった方が良いです。
特に、計算問題は問題が解ければ良いのですから、公式の導き方とか意味を深追いする必要はなく、「○○の時は○○の式を使うんだな」位の感じでパターンを覚えておけばOKです。
最初はテキストを見ながら使う公式を選ぶ位でOKですし、解答を見ながらパターンを覚えていくのでもOKです。
1度に理解しようと頑張らずに、何度もテキストを読んだり過去問を解いていくことで少しずつ解けるようになっていきます。
分からない部分は深追いせずに、とりあえず後回しにして進めれる範囲を確実に勉強した方が効率良く勉強が進みます。
➁復習重視
放射線取扱主任者試験は非常に勉強する範囲が非常に多いです。
そのため、こまめに復習しながら勉強を進めるのが遅いようで効率の良い勉強方法。
1科目を確実に仕上げて、復習しながら2科目目を仕上げて行くのがオススメです。
復習をおろそかにすると最初に勉強した科目の内容が全然覚えておらず、また最初から勉強するという非効率な勉強をすることになります。
そういう勉強をしてしまうと、いくら時間があっても足りませんので復習しながら少しずつ前に進んでいくのが大切です。
具体的な復習方法は放射線主任者試験の勉強方法の所で解説してますので、参考にしてください。
③過去問第一主義
放射線取扱主任者試験に合格するには、過去問5年分をいかに完璧に解けるようになるかが重要です。
本試験では過去問と似たような類似問題が出題されますし、毎年出題される頻出分野というのもあります。
過去問をしっかり解けるようになっていれば、本番の試験で6割以上を解くことは可能です。
そのため、過去問を何周もして確実に解ける状態に持っていくのが勉強の最終目標になります。
資格試験は過去問で始まって過去問で終わると言われることがありますが、放射線取扱主任者試験も過去問が超重要なので繰り返し解いて、過去5年分の問題は確実に解けるように仕上げるのが理想です。
6.まとめ
当記事では文系でも第1種放射線取扱主任者試験に合格するための方法を解説しました。
放射線取扱主任者試験は試験範囲が広いのでかなりの勉強量が必要になります。
ただ、その勉強量がしっかり確保できるなら文系も理系も関係なく、誰でも合格は狙える資格になっています。
文系ということで数学の知識や化学の知識を忘れてしまったり、物理を高校の時に履修していなかったというハンデは当然あります。
ただ、放射線取扱主任者試験で必要とされる理系の知識は高校の基本的なことですので、少し復習すれば身につけれる内容です。
文系出身というだけで資格試験を諦めるほど絶望的に難関な資格ではありませんので、余裕をもって1年位勉強すれば十分合格出来ます。
まずは放射線関連の基本的な資格であるエックス線作業主任者試験で基礎を学び、そこから第1種放射線取扱主任者試験の勉強を始めるのがオススメです。
エックス線作業主任者試験は下記の参考書と過去問集を使用すれば合格出来ますので、ぜひ購入して勉強を始めてみてください。
また、私が参考にしている「試験勉強のすごいコツ」という資格勉強法に関する本が非常に参考になります。
50個の資格試験に関するテクニックが紹介されており、第1章を読むだけでも資格勉強の考え方が変わります。
50個すべてを取り入れる必要はありませんが、出来そうなことから取り入れると勉強効率が上がっていくので一読する価値のある本になっています。