過去に私は溶接管理技術者試験2級(WES2級)の資格試験に合格しました。
業務命令で資格試験を受ける事を決めたものの、中々マイナー資格のために情報が無くイマイチ勉強方法が分からないことが多々あると思います。
そこで、この記事では「WES2級に合格するためのおススメ勉強法」を紹介します。
試験に合格したからこそ感じた、ノウハウ・気づきを記事中に反映させています。
この記事を読んで、ぜひともWES2級合格のきっかけになればと思います。
この記事の執筆者
私は溶接部の検査(非破壊検査)に関わっています。
会社で「WES2級を取得するように」と言われて、業務命令でWES2級を取得しました。
この資格合格までに至った勉強ノウハウ・気づきを記事中で紹介していきます。
- 溶接管理技術者試験(WES)とは?
- 溶接管理技術者試験2級(WES2級)の試験概要
- 「溶接管理技術者のための研修会」に参加すべき理由
- WES2級に合格するためのおススメ勉強方法
- 具体的な勉強法
- まとめ
溶接管理技術者試験(WES)とは?
溶接管理技術者の資格は、溶接技術に関する技術知識と施工及び管理に関する職能技術者のための資格です。工場認定あるいは官公庁における工事発注の際の必須条件として、認証者保有又は、常駐を要求されています。
溶接管理技術者試験は、化学・石油プラント・工場などで需要があります。
この資格試験は、溶接の実技に関する資格ではありません。
あくまで溶接技術及び施工管理に関する知識が問われ、そのレベルによって2級・1級・特級と分かれています(その中で2級は1番簡単)。
試験内容は、筆記試験及び面接試験(講習で免除可)から構成されています。
溶接管理技術者試験2級(WES2級)の試験概要
以下に溶接管理技術者試験2級(WES2級)の試験概要を簡単に紹介します。
- 合格率:57.6% (2019年度)
- 受験資格:あり
- 受験機会:年に2回 (6月と11月に筆記試験、約1ヶ月後に口述試験)
- 合格基準:筆記試験トータル60%
- 受験費用:筆記試験 13,200円、口述試験 22,000円
- 試験範囲:溶接法、溶接機器、溶接冶金、溶接材料、溶接力学、溶接設計、溶接施工及び管理、安全衛生、試験検査
溶接管理技術者試験はレベル・学歴によって受験するために必要な経験年数が異なります。
受験前に必ずチェックしましょう(上記の参照先リンクから確認できます)
また、WES2級の資格試験の合格率は毎年50%前後です。
溶接管理技術者試験の中で2級は一番簡単な試験ですが、2人に1人は落ちる試験でもあります。しっかり勉強をして試験にいどみましょう。
試験範囲が広いので自分の得意・苦手分野がどうしても出てきます。
また、問題数が200問くらいあるので、広く勉強する必要があります。
後述する「溶接管理技術者のための研修会」に参加することで口述試験が免除されます。
その時、研修会オリジナルの問題集から試験に出題される問題が教えてもらえるので、出来ることなら受験前に研修会に参加したほうが試験を有利に進められます。
「溶接管理技術者のための研修会」に参加すべき理由
試験日の約2か月前に全国各地に「溶接管理技術者のための研修会」が開催されます。
この研修会は資格試験を受験する上で必須ではありません。
ただ、この研修会に参加することで以下のメリットがあり、試験を有利に進めることが出来ます。
- 研修参加者は口述試験が免除される
- 試験に出るポイントを教えてもらえます。
研修会に参加することで、参加者の方は2年間口述試験が免除されます。
多くの受験者がこの研修会に参加するので、ほとんどの人が口述試験を免除されています。
反対に口述試験がどのような事を聞かれるのかは実はよく分かっていません。
私の会社も受験者の方には研修会の参加を推奨おり、多くの会社でこの研修会参加を義務付けているのではないでしょうか?
また、この研修では試験に出る重要なポイントを教えてもらえます。
私も先輩方から「研修会で教えてもらったポイントを復習するだけで合格できる」と言われて研修会に参加しました。
たしかに、この研修会に参加することでWES2級の試験を有利に進められます。
研修会の費用はWES2級で41,800円、研修は3日とかなり大がかりです。
口述試験22,000円と比べて約2万円高いですが、上記の理由から参加する価値はメチャクチャあります。
特に会社費用で研修会に参加出来る場合は必ず参加するようにしましょう。
また、自費での研修会参加の場合も周りから口述試験の情報が得られない場合、参加した方がベストです。
口述試験に1回落ちたら、結果的に研修よりも高い費用がかかってしまいます。
WES2級に合格するためのおススメ勉強方法
受験用テキストの紹介
溶接管理技術者試験は結構マイナーな資格のため、簿記や危険物のような有名資格と比べて受験用のテキストは限られています。
WES2級に合格するために以下の3つのテキストを必ず用意しましょう。
(逆に言えば、このテキストしかありませんが・・・)
- 溶接・接合技術入門
- 演習問題集(研修会での配布品)
- 2級 筆記試験問題と解答例 (過去問)
受験用の参考書は「溶接・接合技術入門」になります。研修会でもこの参考書を前提に進めます。
唯一無二の受験用のテキストのため、合格するために必須のテキストです。
300ページ以上ありますので、毎日コツコツ読むことが大切です。
研修会で配布される演習問題集は、研修会で試験に出る重要問題をこの問題集から紹介されます。
全ての問題に取り組む必要はありませんが、「この問題大事ですよ!!」と言われた問題は確実に解けるようにしましょう。
WES2級の過去問題集も合わせて取り組みましょう。
会社の先輩方から「研修会で教えてもらった所だけやればOK」と言われることもあるかもしれません。
ただ、実際に過去問集も見てみると講習会で言われていない問題も見られます。
試験費用も高いので、確実に合格するために過去問集も合わせて勉強したほうがベストです。
具体的な勉強法
①研修会前にテキストを一読
試験日の約2ヶ月前くらいから全国各地で「溶接管理技術者のための研修会」が実施されます。
この研修会で講師の方が「ココ大事ですよ」「ココマークしてください」と試験に出る重要な所を教えてくれます。
ただ、この研修会は参考書や問題集を淡々と説明するだけなので非常に眠くなります。
寝てしまっては重要な所を聞き逃し、研修会の意味が半減してしまいます。
特に、予習をせずに知識不十分な状態で行くと本当に眠くなります。私もメチャクチャ眠くて必死に起きていました。
そのため、事前にテキストを一読して予習をしていくと、講師の方の説明に「そーいえばこんなことあったな」と理解出来るようになり眠くなりにくいと思います。
研修会が試験の2ヶ月前に行われるので、その前くらいから勉強を開始するにはちょうどいい時期ではないでしょうか?
また、いきなり公式テキストを読むのは大変ですので、次のような基礎的な溶接本から初めてみるのも一つの有効な勉強方法です。
イラストが多くて薄い本ですので、溶接の基礎知識をサクッと学ぶことが出来る本になっております。
②問題集及び過去問を中心に勉強する
研修会後から試験日当日までは、仕事をしながら勉強をすることになります。
300ページもある参考書を全て理解するのは本当に大変です。
研修会で配布された問題集と過去問を中心に効率的に勉強すれば、合格点に十分到達すると思います。
研修会後にザッと参考書をもう一度読んでみて、研修会の復習をしていきます。
その後、問題集での重要問題を解いてみて分からない問題は参考書で振り返っていきます。
この時、重要と言われていない他の問題に力を入れる必要は無いと思います。
問題集を一通り理解できたら、次は過去問を解いてみましょう。
問題集には見かけない問題があると思いますので、そこを参考書でしっかりフォローしておきましょう。
問題集及び過去問集をしっかり取り組めば、確実に合格する力がつきます。
また、実際の試験は200問問題が出題されます。広い範囲から出題されるので、苦手な分野をつくらないように意識していきましょう。
まとめ
この記事では、溶接管理技術者試験2級の試験概要及び研修会の重要性と合格するためのおススメ勉強法を紹介しました。
マイナーな資格なため、試験用のテキストも1つしかないので、逆に勉強する方法はかなり限られてきます。
研修会で配布される問題集及び過去問集をしっかり取り組めば、特に問題なく合格できると思います。
この記事が皆様の合格の助けになればと思います。