非破壊検査の業界にチャレンジしようか悩んでいる中、「非破壊検査 危険」というワードが気になっていませんか?
非破壊検査は化学工場やビル、鉄道など様々な場所で必要とされており、他業種の仕事と比べて危険な場所で検査をすることが多いのは事実です。
一方で非破壊検査という業界の給料水準はお世辞にも高いとは言えません。
そのため、仕事内容によっては、「そんなに危険なのにこの給料・・・」と感じることも多く、就職希望者に本音が言えない部分でもあります。
当記事では非破壊検査歴10年以上の私が実際に働いて感じた、非破壊検査のガチで危険なことを厳選して5つ紹介していきます。
非破壊検査がどう危険なのかを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
①:検査しに行く場所が明らかに危険
(写真はPhoto ACから引用)
非破壊検査を行う場所は高所や狭所、槽内作業、暗所、有機物、騒音、粉塵といった危険な場所が多く、油断するとケガだけでなく、最悪死に至るケースもあります。
非破壊検査には「安全な場所が無い」と言われるぐらい、周りは危険な要素でいっぱいです。
私は化学工場で働くことが多く、写真のようたな高いタワーの頂上まで梯子で昇ることがあります。
当然ですが、この時に梯子から手を滑らせれば下まで落下してしまい、最悪死亡してしまいます。
(そうならないように、セーフティーブロックと呼ばれる安全器具があったり、なかったり)
また、SDMと呼ばれる工事では化学物質が入っていた機器の中に入って(入槽)検査することが頻繁にあります。
このような槽内作業は非常に危険な作業で、決められたルールを守らないと下記のニュースのように死亡事故に発展。
作業員による事故防止について(注意喚起)(METI/経済産業省)
中々イメージが出来ないと思いますが、道路にあるマンホールの中に入って死亡した事故事例と非常に近いのかもしれません。
その他にも、検査を行う場所の周りでは自分たちだけでなく、他業者の方も工事をしていることが多いです。
クレーンが旋回していたり、足場を作っていたり、溶接作業による火花が飛んでいたりと危険がいっぱい。
自分たちが気を付けていても、他業者の不注意によって自分たちがケガをするという可能性もあり、中々難しい問題です。
(高所から他業者の道具が落ちてきてぶつかったり)
非破壊検査を行う場所が安全ということは珍しく、何かしらの危険な環境の中で検査を行うことが多いので、本当に注意が必要です。
➁:熱中症
記録的な猛暑による熱中症の危険性が叫ばれている今日。
非破壊検査を行う上でも熱中症と上手く付き合っていくことが大切になっています。
暑い夏場でも検査(仕事)を止める訳にはいかず、常に熱中症に注意しながら作業することが強いられます。
上司は「熱中症に気を付けて」とは建前では言ってくれますが、「暑いから本日の作業は中止」とは言ってくれません。
毎年熱中症になって救急車で搬送される人も見かけますし、「気分が悪い・頭が痛い」といった軽症を訴える人は周りによくいます。
特に、高温の状態で運転している機器の周りや、機器の中に入槽する時は作業場所の気温は本当に暑くなるので、熱中症の危険性が自然と高くなります。
そのため、非破壊検査を行う場所によっては40°を超えることもあり、まるでサウナに入ったような状態で仕事をしている時があります。
今後も非破壊検査と熱中症は切っても切れない関係で、暑さに弱い人は絶対に向いていません。
③:放射線による被爆
非破壊検査には放射線を使ったRT検査というのがあります。
放射線を扱うため、他の検査と比べてかなり慎重に作業を進めないといけません。
もちろん、正しい手順やルールを守っていれば被爆することはありません。
ただし、ちょっとした不注意や慣れ、間違いによって放射線による被爆が起こる可能性は高まります。
非破壊検査では放射線による検査を避けては通れないので、RT作業に関わる人は常に放射線の被爆の危険に注意しながら作業を進めることになります。
ただし、放射線手当が出る会社もありますので、給料的には少しだけオイシイ仕事だったりもします。
④:長時間労働
非破壊検査をする上で長時間労働は中々避けることは出来ません。
特に、化学工場で働くことになれば、SDM工事という工場内にある装置を止めて一斉に点検をする大規模な工事があります。
SDM工事の規模にもよりますが、土日休みなし・残業毎日有りの生活が1ヶ月続くことも珍しくありません。
この期間は過労死ラインの目安と言われている月80時間の残業時間を超えることもあります。
私も100時間近く時間外労働をしたこともありますし、深夜24時を超えるまで仕事をしたことも。
もちろん、毎月毎月このような生活をする訳ではないので、すぐに健康に異常が起ることは無いのですが、疲れや睡眠不足によって仕事でミスが連発したり、車の運転事故を起こしやすくなる危険性があります。
私の先輩はSDM期間中にアクセルとブレーキを間違えてコインパーキングのバーを破壊して弁償していました。
私も残業が多い時は眠気を我慢しながら慎重に車を運転して帰宅しています。
SDM期間中は地獄のようなキツイ仕事になり、SDM工事で止める若手は結構います。
⑤:結婚出来ない
少し違った角度からの危険な面として、結婚出来ないというデメリットはあると思います。
非破壊検査は男社会のために単純に出会いがありませし、次の2つの要素によって結婚が非常に難しくなります。
- 給料が安い
- 出張や残業が多くて時間が取れない
中でも「給料が安い」というのはかなり深刻で、妹より給料が低くて両親や親戚から心配されるというエピソードはこの業界アルアルです。
婚活では相手側の希望の年収に到達しないことが多く、給料だけで相手にされないことも。
実際に私の職場では大半が独身であり、婚活を頑張っている人が上手くいったという話を私は聞いたことがありません。
非破壊検査の業界全体で「給料の安さ」はかなり深刻な問題で、結婚面でかなりマイナスになることは間違いありません。
まとめ
非破壊検査の業界はデスクワークの仕事と比べると、明らかに危険が多い業界なので注意が必要です。
さらに、危険な上に給料が低いという悲しい面もあり、深刻な人手不足の状況になってきています。
非破壊検査の危険性を深く考えずに入社すると、実際に仕事をして後悔することになるので、気になる点は面接でしっかりすり合わせをすることが大切です。
コチラの記事でも非破壊検査について解説していますので、あわせて読んでみてください。