私も大好きな漫画・スラムダンク。
スラムダンクは1990年~1996年まで週刊少年ジャンプで連載されており、シリーズの国内発行部数は累計1億万部を超える大人気作品。
オリエンタルラジオの中田さんが、自身のYoutubeチャンネルで熱くスラムダンクを解説するなど、今なお世界中で愛されるバスケ漫画です。
人気漫画・スラムダンクから「上司にしたいアニメ・漫画キャラクター」のアンケート(株式会社アーネストウェブによる)の第5位に安西先生、第6位に赤木ゴリがランクインしています。
対象アンケートはこちら:社会人200人がガチ投票!上司にしたいアニメ・漫画のキャラクターランキング2019 | シゴトアンサー
素晴らしい物語、激闘の数々、「負けたらそこで試合終了ですよ」という心にしみる名言から、この2人が理想の上司としてランクインするのは一見当然かもしれません。
ただ、スラムダンク好きな方の中には「理想な上司?」と疑問に感じる方も多いと思います。
実は、この2人は理想の上司としては程遠いキャラだったりします。
サラリーマン歴6年目の私が、サラリーマン目線で「2人がどんな上司になるか?」を各エピソードを振り返りながら考察していきます。
この記事は、懐かしいシーンとともに面白ネタとして楽しめると思います。
理想の上司第5位:安西先生
湘北高校の監督である安西先生。
「諦めたら試合終了ですよ」、「先生バスケがしたいです」という大名言を生み出したかた。
三井寿×安西先生のこの2つの名言のやり取りに多くの方が感動したことに。
アンケートには、理想の上司の理由として以下のことが挙げられています。
見てないようなフリをしてるけど、実際はよく人のことを見ていて、深いアドバイスを施してくれるから(20代男性/1991年/技術職)
部下の思う通りに挑戦させ、成長を見守り続けてくれそうだから(20代女性/1990年/開発)
安西先生に対して「じっと部下を見守り続けてくれる」というイメージを抱いているようです。
しかし、作中で安西先生がしていたことは「問題を放置」「特定の気にいった人だけ指導」という理想の上司とは実は程遠いんです。
以下のエピソードで安西先生を振り返っていきます。
①部内の問題を放置
湘北高校には2つの問題が描かれています。
それが、「三井の不良問題」と「赤木の部活の私物化」という問題です。
生徒の三井がケガでバスケが出来ず部活を辞めることに。
さらに、バスケの未練が捨てきれず不良仲間と一緒に1学年下の宮城をつぶそうとする始末。
これらの一連の問題を放置してからの「先生バスケがしたいです」なのです。
キャプテンの赤木ゴリは、スポーツ推薦も無い県立高校の湘北高校にて無謀にも「全国制覇」を掲げ、部活を私物化してしまう。
「バスケを部活として楽しみたかった」という部員の多くの意見を暴力で押さえつけ、部員が同期の小暮君の2人しかいない廃部状態に。
この問題も安西先生は放置している。
会社に当てはめると、社内や部署の問題を「見て見ぬふり」をしてアドバイスも相談も何のアクションもしない状態です。
業績が悪化しても「何の一手も打たずに、ただ静観する」という状態。
部下の挫折を「見なかったことにする」という状態ではないでしょうか?
②調子の悪い生徒に気づいていたのに放置
湘北高校 VS 山王工業のクライマックス。
追い上げモードの中、桜木が背中に痛みを感じる事態に。
バスケ選手にとって背中のケガは選手生命に関わる重傷な問題。
桜木は背中のケガにより、フラフラになりコート上で倒れる事態に
安西先生は桜木の調子がおかしいことを分かっていました。
分かった上で、桜木のプレーが見たいからといって放置して重症化させてしまいました。
会社にあてはめると、部下の調子が悪い・様子がおかしいと分かっていたにも関わらず、この部下が抜けると部署の成績が落ちるので「あえて放置」したことになります。
そして、その部下が体調が悪化してうつ病になり休職することになることが予想できます。
こんな上司理想ですか?
③気にいった生徒だけ指導
作中で安西先生が部員を指導する姿はほとんど描かれていません。
唯一練習を指導したのは、桜木とのシュート2万本合宿と大学時代の矢沢の2人に対してです。
桜木の才能にほれた安西先生は、1週間の合宿でシュートの指導をしました。
気にいった学生にやたら特別扱いする先生いませんでしたか?
安西先生はそういう先生で、その他の部員にたいしては何の指導もしないという状態です。
また、大学時代に才能にほれた矢沢に対して「皆の前で叱責する」「ペナルティーを一人だけ与える」といった典型的なパワハラ指導をしています。
アメリカで亡くなってしまったことで、パワハラ指導はしなくなりましたが、興味がない生徒には指導を一切しないという先生になってしまいました。
会社にあてはめると、気にいった部下にだけ熱心に指導はするが、他の部下に対しては必要な指導をしないという部下に嫌われる上司像になります。
理想の上司第6位:赤木ゴリ
湘北高校のキャプテンでチームの精神的支柱。
「全国制覇」という高い志を持ち、問題児軍団をまとめ上げるリーダーシップが評価。
山王戦で過去を振り返りながら涙を流すシーンは多くの読者を感動に導いた。
アンケートには理想の上司の理由として以下のことが挙げられています。
目標に向かって自身も努力し、また、部下の成長も手助けしてくれそうだから(30代男性/1988年/警備員)
チームを全体視野でコントロールし、特性の違う様々なメンバーをまとめ上げるリーダーシップを発揮しているから(30代男性/1981年/営業職)
確かに素晴らしいリーダーシップを発揮する点は作中で随所で発揮されます。
ただ、赤木は自分と同じ目標を持たない人を排除するところがあります。
目標設定も下手で、反対意見をする人に対して暴力で排除する場面があります。
正直、赤木が上司にいると「やりにくい」し「意見しにくい」、「ついていけない」ことになる可能性が高いです。
①無理難題な目標を強要する
「全国制覇」をという高い目標をもつ赤木は、一見すると素晴らしい人物のような気がします。
しかし、赤木が所属している湘北高校はスポーツ推薦も無い一般入試で入ってくる生徒ばかりで毎年1回戦負けの弱小高校です。
そんな弱小高校の中で「全国制覇」を他の部員に強要し、周りから「ついていけない」と敬遠され多くの同級生が部活を辞めていきます。
会社に当てはめると、今まで誰も達成したこと無い売り上げ・営業成績を部下に強要することです。
中小企業なのに超大手企業並みの無理難題の成績を強要する上司をどう思いますか?
その会社辞めたいって思いますよね?
毎年1回戦勝てるかどうかの部活で、「全国制覇」を目標にしている先輩がいたら正直引きませんか?
②対話では無く、暴力で解決しようとする
弱小高校で「全国制覇」を目指そうとする赤木は、「部活としてバスケを楽しみたい」という同級生と意見が合いませんでした。
本来ならば、部員同士で話し合い部活の方針を決めるべきでした。
赤木も赤木で弱小高が「全国制覇」を目指す理由、メリット、そのための方針を説明すべきです。
しかし、赤木は「赤木についていけない部員」を投げ飛ばし、暴力で訴えかけていました。
自分と意見が違う部下に対して暴力で押さえつけようとするパワハラ上司って最低ですよね?
結果、多くの部員が辞めて中学生の時の仲間の小暮君と2人しかいなくなりました。
しかもコレ高校1年生の時の話です。
1個上の先輩に対しても同じような態度を取り、辞めさせた可能性があります。
③本人も大した実績がない
赤木本人に何かしらの実績があれば、赤木についていく後輩もいると思います。
しかし、投げ飛ばされた同級生が言うように赤木には身長がデカい以外に何の取り柄が無く、中学時代の実績が全くありません。
(その後、努力で超高校級になりますが・・・)
赤木自身、海南といった強豪校に行けなかったわけです。
会社でも何の実績も無い上司が「無理難題な目標」を掲げてパワーで強要してくる。
想像しただけで悲惨極まりないですよね。
安西先生はこんな状態の部活と赤木を放置するというヤバイ先生です。
まとめ:スラムダンクが面白いのは間違いなし!!
理想の上司にランクインした安西先生と赤木ゴリ。
しかし、実はこの2人は理想の上司とは程遠い人物です。
安西先生は見て見ぬふりをし、赤木ゴリは無理難題な目標をパワーで強要するとんでも無い上司です。
理想の上司かは疑問ですが、スラムダンクが面白いのは間違いありません。
あの名作をもう一度読み直してみましょう。
新しい発見が得られますよ。