時間が足りない放射線取扱主任者試験で、どういう風に問題を解いていけばよいか悩んでいませんか?
第1種放射線取扱主任者試験は過去問に近い問題が出題される一方で、全く見たことが無い難しい問題も出題されます。
試験に合格するには各科目5割以上かつ全体で6割の得点が必要で、逆に言えば4割分は不正解でもOKです。
そのため、いかに難しい問題に時間をかけずに解ける問題を確実に解いて6割以上の正解を目指すことが重要です。
当記事では各科目の時間配分術として、どういう風に問題を解き進めていけば良いのかを解説しています。
私が実際に活用して2022年の第1種放射線取扱主任者試験に1発合格した方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。
著者情報
2022年の第1種放射線取扱主任者試験に半年間の勉強で1発合格。
その他、20個以上の資格試験に合格しています。
様々な資格試験に合格してきたノウハウを元に、当記事を作成しています。
※第1種放射線取扱主任者試験の体験記はコチラ
- 1. 試験本番で意識すべき3つ基本方針
- 2.各問題に〇×△でランク付けしておくと、後で見直す時に便利
- 3.実際の試験での時間配分術
- 4.ラスト5分は分からない問題を解くよりもマークミスが無いか確認
- 5.初日の物理前は疲労回復に専念する
- 6.まとめ
1. 試験本番で意識すべき3つ基本方針
どの資格試験にも言えることですが、分からない問題に時間をかけたり、変に焦って解ける問題をケアレスミスすることは絶対にしていはいけないことです。
難しい問題は後回しにし先に解ける問題を確実に解くということが非常に重要になってきます。
第1種放射線取扱主任者試験では問題量が多く、時間がギリギリになる科目も多いので解けない問題に時間をかけるのは無駄な時間になります。
そういう視点から、本番の試験では次の3つの考え方がとても重要です。
- 解ける問題から解いていく (難しい問題は捨てる)
- 1点の重みは一緒
- 択一式問題よりも文章問題に時間をかける
それぞれ詳しく解説していきます。
①解ける問題から解いていく (難しい問題は捨てる)
第1種放射線取扱主任者試験の合格基準は各科目5割以上かつ全体で6割以上です。
そのため、序盤に解けない問題が固まっていたとしても、変にパニックになる必要はありません。
まずは解ける問題を確実に解いていき、最終的に6割あれば全然問題ありません。
逆に言えば、4割は捨ててもOKですし、高得点が取れている科目があるのならば、最悪5割の正解でもOKです。
主任者試験では法令を除いて約60マーク分の問題があります 。
(法令は30マーク分)
合格するには6割の36マークが正解であれば良いだけ、逆に言えば残り24マークは間違えることが出来ます。
(法令は12マークまで間違えることが出来ます)
こういう風に見てみると、すごく間違えても大丈夫なことに気付きます。
そのため、まずは分かる問題から先に解いて行って、残りの分からない問題は後から解くということが凄く重要です。
(パッと見て解けない問題は1回捨てて、時間が余ったら考えましょう)
分からない問題を何とか解こうとして時間を使ってしまい、本来なら解ける問題を解く時間がなくなることは絶対に避けなければなりません。
➁1マーク分の重みは一緒
第1種放射線取扱主任者試験の配点は各科目60点満点です。
法令は30マーク分、その他の科目は60マーク分あるため、1マーク分の点数はどの問題でも同じだと考えられます。
(法令は1問2点、その他の科目は1問1点)
1マーク分の点数はどの問題でも同じなため、解ける問題から解いていくのがオススメです。
複雑な計算問題をどんなに時間をかけて頑張って解いても1点にしかなりません。
1マーク分の点数は一緒ですので、複雑な計算問題や難しい問題を解くことにこだわらず、簡単に解ける問題から先に解き始めて合格基準点を目指しましょう。
難しい問題は時間が余った時に解けば良く、いきなり難問で時間を浪費するのはマイナスでしかありません。
③択一式問題よりも文章問題に時間をかける
物理・化学・生物の科目には1問1答式の問題が30点分、文章問題が30点分あります。
どちらも点数的には同じなのですが、文章問題の方が文が多いので解くのに時間がかかります。
また、令和4年度の物理問31のように、文章問題では前の解答を元にして次の解答を答えるという問題が多いです。
文章問題は択一式よりも時間がかかる上に流れで解く問題が多いので、ある解答を間違えてしまうと他の解答も間違えるという連鎖が起こりやすい特徴があります。
そのため、択一式問題よりも文章問題に時間を多くかけた方が得点が伸びやすくなります。
択一式で分からない問題に変に時間をかけずに、分かる問題だけ解いていって文章問題のために十分な時間を残しておきましょう。
また、文章問題は物理・化学・生物でそれぞれ2問あります。
文章問題を解く前に2つの問題をザっと見比べて、簡単に解けそうな問題や計算問題、文章量が少ない問題から解いていくのがオススメです。
例えば令和4年の物理であれば、計算問題が多い問31よりも問32の方が計算量と文章量が少ないので問32から確実に解いた方が良いと判断出来ます。
一方で令和4年の生物であれば、過去問で同じような問題が出題されたことのある問31の方がすぐに解けるかと思います。
このように、物理・化学・生物の科目では択一式をさっさと解いて文章問題を解く時間を十分に残しつつ、文章問題は簡単そうな問題から先に解くという戦略が効果が高いです。
時間が無くて焦ったせいで、本来解ける問題をミスして間違えるのが1番試験で落ちるパターンですので、解ける問題から確実に解いていくというのが超重要です。
2.各問題に〇×△でランク付けしておくと、後で見直す時に便利
私は試験を解くときに各問題に対して〇×△とランク付けしながら問題を解き進めています。
この〇×△は次のような意味があり、後から見直す時に非常に便利です。
- 〇:正解の自信がある問題
- △:問題は解けるけど、計算に時間がかかる問題
- ×:分らない問題、自信の無い問題
△と×はいったん後回しにする問題になります
△にランク付けされた「使う公式は分かっているけど計算が面倒な問題」に時間を使ってしまうと、後半に時間が足りなくなって簡単に解ける問題を複数落とす危険性が高まります。
(計算ミスしたら0点ですし)
1問に時間をかけすぎたせいで、他の簡単に解ける複数の問題が時間が無くて解けなくなるのが1番もったいないです。
それならば、1回後回しにして全ての問題を一通り解き終わった後に、△印の所に戻って計算ミスが無いように落ち着いて解いていった方が確実です。
△印をつぶした後は〇印と△印のマークミスが無いことを確認し、その後に×印の問題から何とか解けそうな問題を1問ずつ潰していくのが効率的です。
(〇印は正解の自信がある問題なので、正解自体を見直す必要性は低いです)
このように、問題を解きながら問題番号の左側に〇×△と書いておくと、後から見直す時の優先順位が分るので効率的に問題を解くことが出来ます。
私は結構使えるテクニックと思っているので、参考にしてみてください。
3.実際の試験での時間配分術
第1種放射線主任者試験の各科目に対して、どのように問題を解いていくのかを解説していきます。
①法令・生物
法令と生物は計算問題が非常に少なく、暗記要素が非常に強い科目のため、時間が足りなくなる危険性が低い科目です。
前から順番に解いていって、分からない問題に×印をつけていき、1通り解き終わった後に見直す位でOKです。
分からない問題に時間をかけすぎなければ、時間が足りなくなるということは起きないと思います。
(2科目とも時間が余りやすい科目です)
少し話は変わりますが、法令と生物は暗記科目のため点が取りやすい科目です。
仮に法令で8割、生物で7割の得点が取れれば、他の3科目が5割ギリギリでも合計で6割に到達出来ます。
特に、法令は過去問と大きく出題傾向が変わらないため、過去問で安定して9割以上解けるようになると本番で8割は十分狙えます。
法令は1番最初に行なわれる試験のため、ここで高得点が取れれば気持ちがかなり楽になるので、直前期で何を勉強すべきか迷ったら法令が1番オススメです。
➁物理・化学
物理と化学は計算問題が多いので、複雑な計算に時間をかけてしまうと後半に時間が足りなくなりがちです。
基本的には簡単な計算問題と暗記系の問題をさっさと解き、その後に計算が複雑な問題を解くようにすると、時間のロスが少なくなってオススメ。
物理・化学の試験時間は110分あります。
時間配分の目安は択一式問題30問に40分、文章問題の2問を60分、見直しを10分と設定するとバランスよく問題が解けると思います。
最初に択一式問題の30問の内、暗記系の問題と簡単に計算出来る問題をサッサと解きます。
使用する公式は分かるけど、計算が面倒で時間がかかりそうな問題は△印をつけて後回し。
正解の自信が無い問題や難しい問題は後回しにして、ドンドン次に行きます。
(1分で答えが出ないのなら深追いせずに、いったん捨てましょう)
択一式問題30問終わった段階で時間が大分余っているのなら、△印のつけた計算問題を計算ミスしないように気を付けて解きます。
文章問題は先に2問とも問題をサッと見て、文章が少ない問題や計算が少ない問題、過去問と似たような問題から先に解きましょう。
出来れば簡単に解けそうな問題から解き、時間も30分より少ない時間で解けるのなら、その分もう一つの問題に時間をかけれます。
令和4年の物理であれば、問32の方が問31よりも文章量が少なくて暗記の要素が強いのでコチラから先に手をつけるのがオススメ。
また、令和4年の化学であれば、問31も問32もどっちもどっちという感じですので、あなたが解きやすい方を先に解くのが常套手段です。
最後の10分は後回しにした問題を考えてみたり、マークミスが無いか確認する時間にあてましょう。
残り10分の段階で正解が6割以上ある自信があるのなら、マークミスが無いかを先に確認して、その後に自信の無い問題を残り時間かけて1点ずつ積み重ねていきましょう。
逆に正解の自信がある問題が5割未満の時は、ギリギリまで正解出来る問題を何とか見つけることが何より優先されます。
(5割未満では足切りにあってしまうため)
そのため、自信のある問題には〇印をつけておくと、残り10分の段階で集計しやすくなるので今後の方針を立てやすくなります。
③実務
1番時間が足りなくなる恐れがあるのが実務です。
大問6個の文章問題を100分の試験時間で解かないといけないので、かなり時間配分と問題を解く順番をどうするかが鍵になります。
問題を問1から解くよりも、先に最初の3分位で全部の問題をパッと確認して解きやすいかを基準にして、問題をどの順番で解くのかを決めておくのが重要です。
令和4年の試験であれば、文章が少なくて計算が無い問2や過去問で見た事ある問3が解きやすいかと思います。
逆に、問1は計算が面倒な問題が後半に含まれているため、最後に回した方が良いかと思います。
このように、問1から解くよりも最初に問題全体を簡単に確認して、あなたが早く解けそうな問題から解いていくのがオススメです。
実務の試験時間は100分あるので、最初の3分位で問題を解く順番を決め、1問あたり15分で解き(6問で90分)、残り7分で見直しの時間にあてるのが良いかと思います。
問題によっては15分もかからない問題もありますので、そいういった問題を先に解くことで時間を少しでも余裕をもたせていきましょう。
6問すべてで6割取れていればOKですので、分からない箇所は気にせず飛ばしてドンドン次の問題に移っていきましょう。
1つの問題にこだわって時間かけて、他の問題を解く時間が無くなるのが本当にもったいないです。
4.ラスト5分は分からない問題を解くよりもマークミスが無いか確認
試験時間がラスト5分になった時、分からない問題を粘るよりもマークミスが無いかをしっかり確認する方が重要です。
せっかくの正解がマークミスによって不正解になるのが1番もったいない。
確実に5割以上の正解が見込めるなら、問題を解くことを諦めてマークミスが無いかの確認作業に使った方が効果的です。
分からない問題も適当にマークしておけば、何問かは正解になる可能性もあります。
5.初日の物理前は疲労回復に専念する
第1種放射線取扱主任者試験は2日間に行われます。
その中でも初日は法令・実務・物理の3科目を行うため、2科目目の実務が終わった頃には結構な疲労があると思います。
私も予想以上に疲労が凄く、3科目目の物理では今振り返ると信じられない計算ミスやマークミスを連発していました。
実務の科目が終わってから物理の試験が始まるまでに40分の休憩時間があります。
この休憩時間は何となくテキストを見直すよりは、チョコレート等の甘いものを食べたり、外の空気を吸ってストレッチしたりと、頭のリフレッシュを優先するのがオススメです。
6.まとめ
当記事では第1種放射線取扱主任者試験で合格点を取るための時間配分術について解説しました。
試験での合格基準は各科目5割以上かつ全体で6割以上です。
そのため、解ける問題からドンドン解いて6割分の正解を集めるという基本方針が大切になってきます。
難しくて解けない問題に時間をかけるよりも、解ける問題を確実に解くという意識が重要です。
試験に合格するなら4割の問題は間違えることが出来るので、分からない問題をいかに早く捨てて、解ける問題から先に解いていくというのが重要です。
また、本文中では各科目に対する具体的な時間配分の考えて方もまとめあるので、ぜひ参考にしてみてください。